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[コース12] 抵抗の芸術と表現・思想の自由 Part.2 「慰安婦」問題を軸に

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タイトル:抵抗の芸術と表現・思想の自由 Part.2「慰安婦」問題を軸に

コース概要 : 2019年、あいちトリエンナーレでなぜ「表現の不自由展・その後」は中止されたのか。その背景には歴史修正主義とミソジニー(女性嫌悪、女性蔑視)があります。しかし、この事件を報道した日本のマスコミやアート業界はその点を深く掘りさげませんでした。
そこでPart2では、本事件の核と言える「慰安婦」問題を軸に、記者、歴史学者、社会学者、ドイツの少女像設置責任者、アーティスト、不自由展当事者に語っていただき多角的に考察します。

曜日 : 水曜日 原則隔週
時間 : 19:00-21:00
開催方法と定員 : オンライン開催・定員50名
コーディネータ : 岡本有佳(編集者、表現の不自由展実行委員)

◆ 第1回 「慰安婦」問題と報道の自由

開催日:2021年3月10日 (水)
講師:
- 柏尾安希子(神奈川新聞記者)
- 岡本有佳(編集者、表現の不自由展実行委員)

概要 : 近年、「報道の自由」を考えるとき、日本による戦時中の加害の問題はタブーであり、特に「慰安婦」問題はその象徴的存在といえる。「慰安婦」の表現に対する社会的、政治的排除が明るみに出たあいちトリエンナーレでの「表現の不自由展・その後」の報道分析でも、同問題を「検閲」と批判する視点より、「安全への脅威」の問題とするものが多く、問題の核心である「歴史改ざん」の問題はほとんど隠されたままだった。そうした現状を考える。
  
◆ 第2回 「慰安婦」問題と表現の自由

開催日:2021年3月24日 (水)
講師:金富子 (東京外国語大学教員)

概要 : 現代日本の表現の自由を考えるとき、つねに「慰安婦」問題がその焦点になってきた。あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展」で展示された〈平和の少女像〉へのバッシング、女性国際戦犯法廷に関するNHK番組改ざん事件(2001年)……。これらは日本社会にはびこる歴史修正主義、ミソジニー、植民地主義を抜きには語れない。当日は、〈平和の少女像〉を中心にその細部が表象するものを考え、バッシングへの背景と構造を探っていきたい。

参考文献 :
- 共編著『Q&A 朝鮮人「慰安婦」と植民地支配責任(Fight for Justiceブックレット)』御茶の水書房; 増補版、2018年
- 金富子「「表現の自由」と「慰安婦」問題」『誰が〈表現の自由〉を殺すのか:ニコンサロン「慰安婦」写真展中止事件裁判の記録』御茶の水書房、2017年

◆ 第3回 ベルリンの平和の少女像〜ドイツで何が起きたか

開催日:2021年4月7日 (水)
講師:韓静和 (ドイツ・コリア協議会代表、日本軍「慰安婦」問題解決の会) * 通訳あり

概要 : 昨年2020年9月、ドイツ・ミッテ区の公共の敷地に〈平和の少女像〉が設置された。しかし日本政府の撤去要請により、一時は同区が撤去命令を出した。それに対し、ドイツ・コリア協議会は撤去命令仮処分を申請。同時に、職業芸術家協会などさまざまな人権・女性団体、政治家、教授らが抗議の声をあげた。その結果、同区は撤去命令を撤回、永久設置の決議案を採択するに至った。日本では十分に報道されていない現実を、その歴史的意義を少女像設置の責任者に聞く。

◆ 第4回 表現問題か?歴史問題か? あいちトリエンナーレ事件を再考する

開催日:2021年4月21日 (水)
講師:倉橋耕平 (社会学者)

概要 : 2019年のあいちトリエンナーレ事件は、表向き「表現の自由」の問題として捉えられた。しかし、同展への批判(=攻撃)手法や抗議の主張内容は、90年代から続く歴史修正主義をめぐる運動と何も変わらない。なぜこの事件は「表現の自由」の問題に回収されてしまったのか?なぜ(「慰安婦」問題を含む)歴史問題がここまで語りにくいものになってしまったのか?あるいは、それらと絡み合う問題はなにか?このことを再考してみたい。

参考文献 : 倉橋耕平「歴史はどう狙われたのか?:歴史修正主義の拡がりを捉える」『教養としての歴史問題』前川一郎編著、東洋経済新報社、2020年

◆ 特別企画 第5回 まるで当たり前だと思っていた自由は実のところ支配だった 不自由は支配をベースとして欲望をかき立てることだった

開催日:2021年5月5日 (水)
講師:いちむらみさこ (アーティスト)

概要 : 「表現の不自由•その後」で展示された作品や展覧会開催の一連のプロセスは、日本社会にどっしりと横たわっている権力構造を顕在化しました。自らを縛る権威や脅威となっていることを、わたしたちはどのように認識できるのでしょうか? 自律的な場を目指そうとすること、またその困難について、2019年「表現の不自由・その後」再開時に駆けつけたアーティストのいちむらみさこのパフォーマンスなどから、考察します。

参考文献 : いちむらみさこ「自律的な場を試みた「表現の不自由展・その後」」『あいちトリエンナーレ「展示中止」事件 ― 表現の不自由と日本』岩波書店、2019年

◆ 第6回 ジェンダー視点から見た表現の不自由展中止事件

開催日:2021年5月19日 (水)
講師:岡本有佳 (編集者、表現の不自由展実行委員)

概要 : 政治的圧力と歴史修正主義に基づく理不尽な攻撃により女性の人権を破壊した歴史・記憶が消されそうな時こそ、ジェンダー平等を掲げたあいちトリエンナーレ2019は真っ先に声を上げるべきだった。中止に対し抗議の意思を示した女性アーティストたちの動きを振り返る。その一方でフェミニズムを標榜する人々の発言や行動を取り上げ考察したい。合わせて本コース5回を振り返る。

参考文献 :
- 共編著『あいちトリエンナーレ「展示中止」事件 ― 表現の不自由と日本』岩波書店、2019年
- 共編著『<平和の少女像>はなぜ座り続けるのか』世織書房;増補改訂版、2016年
- 共編著『《自粛社会》をのりこえる:「慰安婦」写真展中止事件と「表現の自由」』岩波ブックレット、2017年


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