【NPA】よくあるご質問 ※2021/07/12更新

[コース06]桜井均のドキュメンタリー学校 Part4 アーカイブ的な視点から「ETV2001・改ざん事件」を検証する

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タイトル:アーカイブ的な視点から「ETV2001・改ざん事件」を検証する

コース概要 : 1990年前後から2000年代初頭にかけて、日本の侵略戦争を検証する番組が多数放送された。しかし、2001年に放送されたETV2001「戦争をどう裁くか~第二回 問われる戦時性暴力~」は、教科書から「従軍慰安婦」の記述を消そうとする政治家たちの意向を過剰に忖度したNHK幹部が、放送前に政治家たちと面談した上で、内容を大幅に変更、44分の番組を40分に短縮して放送した。いわゆる「ETV2001・改ざん事件」である。
取材を受けた女性国際戦犯法廷の主宰者バウネット・ジャパンは、放送された内容が、NHKの委託を受けたプロダクションの当初の趣旨説明と大幅に異なって放送されたことに対し、「期待権の侵害」を訴因に、NHK、関連会社及びプロダクションを相手どり裁判を起こした。この「改ざん事件」から20年が経過した。なぜ、このようなことが起こったのか。この放送以前に放送された関連番組などを、アーカイブ視聴することで、メディア環境の変化と、それに抗しきれなかった制作現場の実情を検証し、いまも日本とアジアとの間に影を落としている歴史認識問題について考察する。

曜日 : 土曜日 原則隔週
時間 :14:00-16:00
開催方法 : オンライン&オフライン(会場)開催
-オンライン定員 :50名
-オフライン定員 :10名
あめにてぃCAFE・梨の木舎
https://goo.gl/maps/8taDBKmNVk22J3BP9
コーディネータ : 桜井均(立正大学社会学科)千葉花子(聖公会大修士課程)
講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKエグゼクティブ・プロデューサー)

講師:桜井均 1946年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。NHKに入局。スペシャル番組センター、エグゼクティブ・プロデューサーを担当。この間、主に教養番組、ドキュメンタリーなどの制作にあたる。立命館大学映像学部、東京大学情報学環、立正大学社会学科などで教員。著書に「埋もれたエイズ報告」など。
受賞
- (1994年) 日本ジャーナリスト会議大賞、放送文化基金賞 NHKスペシャル「埋もれたたエイズ報告」
- (1992年) 放送文化基金賞本賞 NHKスペシャル「東京裁判への道」
- (1991年) 放送文化基金賞 NHKスペシャル「チョウムンサンの遺書~BC級戦犯裁判~」
- (1981年) 文化庁芸術祭優秀賞 ルポルタージュにっぽん「米ソ艦艇・謎のUターン」


◆第1回 ETV2001「第二回 問われる戦時性暴力~」のどこが改ざんされたのか

開催日 : 2021年7月 17日(土)
講師 : 桜井均
概要 : ETV2001は、主に女性国際戦犯法廷における元「従軍慰安婦」の女性たちや元日本軍兵士の証言が、放送前日と当日にほとんど削られただけではなく、明らかに不要な映像が時間埋めのために挿入された。このコースの第1回目は、まず放送された40分の番組を視聴した上で、削られた部分を復元し、後から挿入された部分の意図を見ていくことで、何がどのように改ざんされたのか。改ざんの過程で、いかなる歴史認識が押しつけられたのかを検証するなかで、今日にまで尾を引く問題の所在を明確にする。

◆第2回「改ざん」のプロセスを、編集過程から検証する

開催日 : 2021年7月 31日(土)
講師 :桜井均
概要 : 放送に至るまでに、制作現場はさまざまな試行錯誤、編集を行うのが常である。しかし、この番組は、放送部門のトップも関わって異様な改ざんが行なわれた。今回は、改ざんの重要なポイントを、具体的に検証する。①ドキュメンタリージャパン(DJ)のオリジナル版から消された女性法廷の実態に近い部分を摘出し、なぜそれらが消えたのかを見る。②放送前日、NHK幹部が政治家と面談した後、現場に指示した改ざんを、朝日の幹部への取材とNHK部長の台本を照合することで浮き彫りにする。③二つの企画、2001年1月24日DJ版と1月30日NHK版の比較し、NHKの強圧的な番組介入の実態を明らかにする。以上の過去遡及的(retrospective)な検証を通して、改ざんの思想的背景を探っていく。

◆第3回 「人道に対する罪」の過去・現在・未来 〜4本シリーズ「戦争をどう裁くか」を比較する〜

開催日 : 2021年8月 14日(土)
講師 : 桜井均
概要 : 女性国際戦犯法廷(女性法廷)は、旧日本軍の慰安所・慰安婦制度を「人道に対する罪」として、日本国天皇および政府、軍高官などを被告として裁く市民法廷(東京裁判の「やり直し」)の試みであった。そのために、旧植民地(朝鮮・台湾)やアジア諸国などから、日本軍の性奴隷(従軍慰安婦、強姦被害者)にされた女性たちと、加害兵士などが一堂に会し、壮絶な証言を行なった。その結果、女性法廷は上記被告に対し、「人道に対する罪」の責任において有罪の判決を下した。
しかし、それを取材したETV2001「問われる戦時性暴力」(4本シリーズ「戦争をどう裁くか」の第2回)は、放送直前にNHK幹部が女性法廷に批判的な政治家らに面談した後、「人道に対する罪」が「慰安婦」「性奴隷」「東京裁判」「昭和天皇」などとかかわって語られる部分、すなわち、女性法廷が最も重視した部分をことごとくカットし、通常より4分も短い40分で放送された。
取材を受けた女性法廷の主催者たちは、この放送の内容を不服とし、NHK・NHKエンタープライズ(NEP21)・制作委託されたドキュメンタリー・ジャパン(DJ)を「期待権の侵害」で提訴した。それに対し、NHK側はDJが「人道に対する罪」を十分に理解していなかったためとする法廷対応を繰り返し、DJを切り捨てた。しかし、DJ版をいま見直すと、女性法廷の趣旨は十分に伝えられていた。ことにスタジオのコメンテーター(高橋哲哉・米山リサ氏)は、「人道に対する罪」が国家、民族、人種、ジェンダーを超えて今日の戦時性暴力の問題にまで及んでいることを指摘し、「責任者処罰」と「国家補償」の必要性を語り、女性たちの国際的なネットワークが「人道に対する罪」の概念を普遍化しつつあると指摘していた。
一審では、DJだけが責任を問われた。そこで、あらためてシリーズ4本を並べて視聴することで、NHKが「人道に対する罪」をどのようなものとして提示しようとし、なぜそれができなかったのかを検証する必要がある。
作業仮説として、4本シリーズになる前に、別チームが制作を始めていた第1回「人道に対する罪」と第4回「和解は可能か」(当初は2本が独立していた)が提起していたことをまず整理する。その上で、問題の第2回「問われる戦時性暴力」にそれがどう反映されていたか、なぜ「改ざん」されたのかを検証していく。ちなみに、裁判後にBPO(放送倫理・番組向上機構)は、「戦争をどう裁くか」というシリーズで、第2回だけが「裁くことの難しさ」をテーマにしている異常さを指摘し、企画後に番組に圧力が働いたことを示唆し、NHK自らがそれを剔抉することを提示した。今回は、NHKという公共放送が抱える問題点を考える。

◆第4回 国際法の水準と「人道に対する罪」の適用について

開催日 : 2021年8月 28日(土)
講師 : 桜井均
概要 : 女性国際戦犯法廷には、韓国をはじめ中国や東南アジア、そしてオランダ(インドネシアは旧オランダ領)などから、日本軍の「慰安婦」にされた女性たちが集まり、戦時における性暴力を告発する証言を行なった。そして、日本からは日本軍の元兵士が参加し、慰安所の設置や、強姦の実態など耳を疑うような告白をした。この民衆裁判は、「東京裁判のやり直し」として位置づけられ、女性たちに対する性暴力を「人道に対する罪」として裁いた。国際法の枠組みで、個人が国家の責任を問う試みだった。しかし、それについての放送が、歴史修正主義者(右翼団体や自民党右派グループ)から、有形無形の圧力を受け、意味不明の番組になった。そこで、このシリーズでは、番組の内部に分け入り、何がどのように改ざんされたかを「テクスト・クリティーク」するために、アーカイブ的な視点を取り入れた。
今回は、1996年に放送されたETV特集 「『従軍慰安婦』と国際法」で取材したジュネーブの国連人権委員会の思想がなぜETV2001に継承されなかったのかを考え、加害兵士の証言の重さを再考するために、89年のNHKスペシャル「“戦犯”たちの告白~撫順・太原戦犯管理所1062人の手記~」を参照する。


◆第5回 失われた元「慰安婦」女性たちの声を再生する

開催日 : 2021年9月 11日(土)
講師:桜井均
概要: 1991年、キム・ハクスンさんたちのカミングアウトにより、従軍「慰安婦」の存在が日本社会に衝撃を与えた。これ以前にも、活字などでその存在は知られていたが、当事者が日本国家に謝罪と補償を求める声を上げたことはなかった。冷戦の終了と韓国内の民主化などが契機になったが、同時に冷戦後も続いた内戦で、戦場での「集団レイプ」などが頻発していたことも、「戦時性暴力」に対する日本人の意識を変えるきっかけになったと言える。
1993年、河野官房長官は、慰安婦制度に旧日本軍がかかわっていたことを認め、女性たちに「おわびと反省の気持ち」を表明した。このころから、NHKはETV特集を中心に、「慰安婦」問題を何度か取材してきた。そのなかから、96年夏のNHKスペシャルで放送する予定が、取材過程の瑕疵を針小棒大に喧伝され、年の瀬の12月28日の午後ほとんどだれも見ない時間に放送された「アジアの従軍慰安婦・51年目の声 埋もれた尋問報告~戦場の女性たちは何を見たか~」をアーカイブ視聴する。この番組は、女性たちの証言の信憑性を疑う歴史修正主義に対抗するために、徹底して「場所と言葉」にこだわって制作した。(前年に日本で公開された、ユダヤ人絶滅に関するクロード・ランズマン監督の『ショアー』を参考にした。)


◆第6回 改ざん事件を20年目に語る(仮) *特別企画

開催日 : 2021年9月 25日(土)
講師 : 桜井均
特別ゲスト:内海愛子(大阪経済法科大学)・高橋哲哉(東京大学)
概要 : 女性法廷の主催者バウネット・ジャパンは、番組の「改ざん」について、NHKとプロダクションを「期待権の侵害」で提訴した。しかし、NHK側は、一審において政治家の介入を徹底的に隠し、日常の編集手続き上の混乱のみを主張した。尋問を受けたNHKの現場制作者たちは、法廷方針に従った「偽証」を行なったのである。そのために、重要な証言を落としたのはあくまでも番組構成上のこととし、結果的には、最初の取材と編集を行なったプロダクションを切り捨てることになってしまった。高裁の結審間際に、NHK職員の内部告発があり、NHKが敗訴。しかし、最高裁では訴因の「期待権の侵害」は、NHK会長に「編集権」があるとして退けられた。具体的には、この企画は当初から「戦争責任をどう裁くか」という4本シリーズであり、女性国際戦犯法廷の記録を中心するものではなかったというNHKの嘘の主張が通ったのである。裁判の全過程を検討し、どのように歴史が歪められたかを見ていく。加えて、現政権は、教科書の「従軍慰安婦」から「従軍」の文字を消すことを閣議決定した。日韓関係の冷え込みの主な理由は、従軍慰安婦と徴用工をめぐる歴史認識の隔たりである。日韓基本条約、日韓外相談話、慰安婦像問題などをめぐり、いま日韓の間で何が起こっているのかを、さまざまな知見をもとに総合的に考える。


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