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コースタイトル:ドイツの平和運動は何を目指してきたのか - その歴史と課題
コース概要:ロシアがウクライナに侵略戦争を始めて以来、「戦争と平和」は、多くの人にとって改めて切実なテーマとなりました。ドイツの平和運動には100年以上の伝統があり、国内のみならず国際世論に大きな影響を及ぼした経験もあります。本講座では、今日に至るその流れを振り返るとともに、日本の平和主義の思想・運動に与える示唆についても考えてみたいと思います。
曜日:金曜日 原則隔週
時間:19:00~21:00
開催方法:オンライン開催・定員50名
講師:木戸衛一
講師プロフィール:
1957年生まれ。東京外国語大学卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、ベルリン自由大学博士。元大阪大学大学院教授。ライプツィヒ大学・ボーフム大学客員教授を歴任。日本平和学会理事。ドイツ現代政治・平和研究専攻。著書に『平和研究入門』(編著、大阪大学出版会、2014年)、『変容するドイツ政治社会と左翼党』(耕文社、2015年)、『若者が変えるドイツの政治』(あけび書房、2022年) 、『希望の共産党』(共著、あけび書房、2023年)、『戦争と平和主義』(共著、いのちのことば社、2023年)など。
◆第1回 ナチス独裁までの平和運動
開催日:2023年7月21日(金)19:00-21:00
講師:木戸衛一
概要:ナチス独裁までの時期、ドイツには平和主義の思想と運動の伝統がありました。ブルジョワ的な平和運動と社会主義的な平和運動に大別できますが、第一次世界大戦を阻止することはできませんでした。ヴァイマル共和国時代には、「もう戦争はこりごりだ」とさまざまな取り組みがありましたが、それもナチ暴力支配によって命脈を絶たれました。
◆第2回 平和運動の基盤としての憲法(基本法)
開催日:2023年8月5日(土)14:00-16:00 ※日程注意
講師:木戸衛一
概要:戦後ドイツ平和運動を考えるうえで、憲法(基本法)の存在は重要な意味を持っています。なかでも第1条で「人間の尊厳」を謳っていることは特筆に値します。冷戦時代に生まれたことから、日本の「9条」のような憲法条項はありませんが、逆に徴兵拒否は当初から市民的権利として認められました。
◆第3回 再軍備反対から復活祭行進へ
開催日:2023年8月18日(金)19:00-21:00
講師:木戸衛一
概要:第2次世界大戦で地上戦の舞台となったドイツでは、日本と同様「反ミリタリズム・コンセンサス」が生まれました。東西対立の下、分断国家の樹立、軍事同盟への編入のイニシアティヴを握った西ドイツでは、「僕はごめんだ」という再軍備反対運動や「原爆死反対運動」が展開されました。1960年に始まった復活祭行進は今日まで続いていて、毎年かなりの参加者がいます。
◆第4回 1980年代の反核運動
開催日:2023年9月1日(金)19:00-21:00
講師:木戸衛一
概要:1970年代末からの「新冷戦」状況で、ヨーロッパが核戦争の戦場になるかもしれないという不安が高まり、「ユーロシマ」という言葉も生まれました。西ドイツでは、空前の平和運動が起こりましたが、以前のドイツ人の権威主義的メンタリティーを考えれば、これはほとんど信じられない事態でした。そしてそれは、西独国内のみならず多方面に影響を与えました。
◆第5回 東ドイツにおける平和運動
開催日:2023年9月15日(金)19:00-21:00
講師:木戸衛一
概要:強権体制の東独国家では、平和主義は否定的に評価されていたため、平和運動は、比較的自由な言論空間を提供していたキリスト教会内部で発展しました。欧州核戦争の危機の中で、「剣を鋤に」、「武器なしに平和を創る」をスローガンに展開した東独の平和運動は、1989年の「平和革命」、そして翌年の「ドイツ統一」の導火線となりました。
◆第6回 21世紀の平和運動の課題
開催日:2023年9月29日(金)19:00-21:00
講師:木戸衛一
概要:全国民的な「反ミリタリズム・コンセンサス」にもかかわらず、「統一」直後の湾岸戦争を機に、ドイツは国外派兵への方向に踏み出し、1999年のユーゴ空爆で、第二次世界大戦後初めて実戦に加わりました。ロシアのウクライナ侵略により、近隣諸国から「軍事的リーダーシップ」を求められているドイツは、この先どこに向かうのでしょうか?
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https://apply.npa-asia.net/categories/2813814