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コースタイトル:オープンテラス [オムニバス講座] Part4 - NPA講師との出会い・学び・ネットワーク
コース概要:NPAでは多くの講座で講師と受講生の自由な質問と討論が行われています。もっと講師との議論や話し合いをしていきたい要望もあります。また、中長期間連続講義を務めている講師とは、定期的に自由な雰囲気で話してみたいという提案もあります。NPAオープンテラスは、人気講師と受講生が自由テーマでゆっくり議論する新しい交流と討論の空間になると思います。
曜日:土曜日 原則隔週
時間:10:000~12:00
開催方法:オンライン開催・定員50名
コーディネーター:
- 蓑田瑞恵(NPA事務局)
◆第1回 「慰安婦」問題を教え続けて
開催日:2023年7月15日(土)10:00-12:00
講師:平井美津子(大阪大学・大阪の中学校社会科教員)
概要:「中学校や高校で「慰安婦」に関する授業を教えてもらいましたか?」という問いに現在の大学生たちのほとんどが「教えてもらってない」と答えます。1997年にはすべての中学校教科書に「慰安婦」が記述されたにもかかわらず、その後だんだん記述が無くなる中でこういった状況が起きています。「中学生には早すぎる」という言葉で批判されたり、「「慰安婦」は商行為だった」「強制連行じゃない」と「慰安婦」の真実を捻じ曲げて解釈して授業を否定されることが多々ありましたし、現在もあります。今回は、「慰安婦」を教えること、学ぶことがどんな意味を持つのか、私がこれまで行ってきた授業をもとにお話ししたいと思います。
◆第2回 なぜ、日本はジェンダー平等が進まないのか
開催日:2023年7月29日(土)10:00-12:00
講師:坂本洋子(NPO法人mネット・民法改正情報ネットワーク理事長)
概要:選択的夫婦別姓導入を求める請願を、半世紀も軽視してきた国会。法制審議会が四半世紀以上も前に答申した民法改正はたな晒し状態だ。一方、国際社会から厳しく指摘され続ける日本の男女格差。ジェンダーギャップは若者たちから希望を奪い、日本の将来に暗い影を落としている。ジェンダー平等の阻害要因が、安倍元首相の銃撃事件を契機に明らかになった。私たちがジェンダー平等実現のために何をすべきか考えてみたい。
◆第3回 資本主義はどこへ向かうのか-白川真澄の『資本論』:新自由主義の猛威と挫折
開催日:2023年8月12日(土)10:00-12:00
講師:白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)
概要:1970年代末から21世紀初頭にかけて、新自由主義(ネオ・リベラリズム)が猛威を振るった。これは、戦後のケインズ主義(政府の財政支出と賃上げによる経済成長)がスタグフレーション(インフレと失業の同時進行)に直面して行き詰まるなかで、米・欧・日の先進国で登場し政権のメインストリームとなった。規制緩和と民営化が強行され、福祉は大幅に削られ、鉄道・水道・保育園などは民営化され、労働組合の権利と活動が破壊された。企業の利潤追求活動には制約がなくなり、資本家の権力が再建された。さらに、グローバルサウスの国々には、金融支援と引き換えに「構造調整」(緊縮財政など)が強要された。
新自由主義は、非正規雇用の拡大など徹底したコスト削減によってインフレを克服し、経済成長と企業の利益の急増をもたらした。だが、社会内部の格差を急激に拡大すると同時に、過剰なマネーを世界中に溢れさせた。その結果、2008年にリーマン・ショック(金融危機)が勃発した。巨大企業や金融機関は政府の資金投入によって救済されたが、低所得層は仕事や住宅を失った。政府の介入を否定し‟市場にすべてを任せよ‟という新自由主義の教義は、敗北したのだ。そして、格差拡大に対する人びとの不満が高まり、コロナ・パンデミックの到来とともに、政府の財政支出は一気に拡大した。それでは、公共サービスは復活したのか。新自由主義は退場したのだろうか。
◆第4回 私たちの現在地:戦争という怪物にどう向き合うか
開催日:2023年8月26日(土)10:00-12:00
講師:高橋哲哉(東京大名誉教授)
概要:昨年2月、ロシア軍がウクライナに全面侵攻して以来、日本では「台湾有事」が喧伝され、琉球諸島へのミサイル部隊の配備、大軍拡予算の成立など、戦争準備が進んでいます。
自衛戦争といえども惨憺たる戦争であることは、ウクライナの現実を見れば一目瞭然です。
戦争という怪物が目の前に立ち現れたような今、私たちはこれにどう向き合えばよいのでしょうか。ともに考えましょう。
◆第5回 資本主義はどこへ向かうのか-白川真澄の『資本論』:グローバル化と脱グローバル化
開催日:2023年9月9日(土)10:00-12:00
講師:白川真澄(ピープルズ・プラン研究所)
概要:東西冷戦の終焉後、グローバル化が全世界を席巻してきた。米欧の多国籍企業はつぎつぎに生産拠点をグローバルサウスに移転し、中国や旧ソ連圏にも進出した。新自由主義の政策がグローバル化を促進した。経済成長と所得向上が加速され、その先頭を切った中国は新しい経済・軍事大国として登場した。
しかし、2016年を境目にして、グローバル化を押し戻す流れが登場してきた。トランプ政権が登場し、イギリスがEU離脱を決め、移民・難民排斥を掲げる右翼ポピュリズムが台頭した。米中両大国間の覇権争いが表面化したが、経済的な相互依存関係は継続・強化された。だが、コロナ・パンデミックとウクライナ戦争をきっかけに、軍事と経済を一体化する「経済安全保障」が唱えられるようになった。世界経済を分断する動き(デカップリング)が進んでいる。先端半導体などのサプライチェーンから中国を排除する動きは、その代表例だ。だが、そうした囲い込みは、米中対立を激化させて軍事的緊張を強めるだけではない。経済合理性から見ると、いちじるしいコスト高を招き、インフレ圧力を強める。
グローバル化は終わるのか、それとも形を変えながら続くのか。コロナ・パンデミックからの回復途上にあった資本主義は、激しいインフレに見舞われた。さらに、インフレ対策として採られた急激な金利引き上げによる金融不安やグローバルサウスの累積債務増大に揺さぶられ、低成長に陥っている。資本主義はどこへ向かうのだろうか。
◆第6回 小林緑の音楽カフェ - - 風の時代のクラシック音楽と女性音楽家達の今ーパリのイベント
開催日:2023年9月23日(土)10:00-12:00
講師:小林緑(国立音大名誉教授)谷戸基岩(音楽評論家)
概要:前半は小林から女性作曲家に関わるイベントのご紹介、後半は谷戸から、知られざる音楽をめぐって近況報告を行います。イベントとは、2023年6/月10日から7月9日まで、パリ近郊の歴史的建造物8つを舞台に行われる企画です。18世紀から21世紀の欧米50人の女性作曲家の作品を、100人の演奏家によって実演するという壮大なものです!相変わらずクララ・シューマンばかり取り上げる日本の現状が恥ずかしくなりそうです・・・。後半は、9月20日に行われる、地元杉並でのレクチャー・コンサート「風の時代―ピアノ音楽史の解体・再編」の報告です。いずれもどのよう結果となるのか・・是非お楽しみに!お話しの合間には、いつものようにYouTubeやCD/DVDの紹介を挟んで音楽を聴いていただきます。
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