* Please remember this item is only sold from 10/07/2023 06:00 to 02/10/2024 00:00.
*Tax included.
*Shipping fees are free on this item.
コースタイトル:軍隊の解体と軍人恩給から考えるもう一つの戦後史
曜日:水曜日 原則隔週
時間:19:00-21:00
開催方法:オン・オフ開催
-オンライン定員:50名
-オフライン定員:10名
コーディネーター:
-内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)
- 許美善(NPA調査研究員)
◆第1回 帝国陸海軍の戦後史① 敗戦と武装解除
開催日:2023年11月8日(水)19:00-21:00
講師:山縣 大樹 (国立公文書館 公文書専門員)
概要:終戦後、陸海軍省をはじめとする軍事機構は廃止され、職員や部隊の人員、及び彼らが保有する武器や軍需品は、GHQの管理下で処分された。しかし、敗戦処理や残務整理を遂行する名目で、軍事機構の一部は「復員組織」(現:厚生労働省社会・援護局)に改組されて戦後長らく存続し続け、勤務した職員はかつての「旧軍エリート」(終戦時、佐官級以上の高級軍人)たちだった。復員組織職員の動向や役割の検討を通じて、彼らの専門性や有用性が占領統治に資するとしてGHQに重宝され、敗戦後も中央官庁の一角に相当数の旧軍エリートが残されていく様相や構造的背景を分析する。
◆第2回 帝国陸海軍の戦後史② 復員組織 - 復員省の公職留任
開催日:2023年11月22日(水)19:00-21:00
講師:山縣 大樹 (国立公文書館 公文書専門員)
概要:復員組織における旧軍エリートの公職留任(Retention in the Public Service)の実態を本格的に検討する。第二復員省(旧海軍省)を事例にとり、NARA2(The National Archives in Washington)所蔵の膨大なPurge関係文書を駆使して職員の公職留任状況やGHQ内部の議論を追う。また、朝鮮戦争勃発以降、復員業務という本来の行政事務を超えた、再軍備活動に傾倒していく幹部職員の存在についても、その立ち位置を検討する。こうした作業は、復員組織内における旧軍幹部の「温存」、そして彼らの実施した再軍備活動を、直線的に捉えてきた感のあるこれまでの研究史との差別化を打ち出す契機となる。
◆第3回 帝国陸海軍の戦後史③ 軍人恩給の復活過程
開催日:2023年12月6日(水)19:00-21:00
講師:山縣 大樹 (国立公文書館 公文書専門員)
概要:帝国陸海軍の解体を目指した対日非軍事化政策は、組織や人員等の物理的な解体にとどまらず、退役後の兵士や遺家族の生活保障にも大きな影響を及ぼした。本講義では、軍人恩給復活過程について、その存廃をめぐる関係勢力の議論を中心に、内在する問題や画期性を検討する。軍人恩給の復活とは、単なる制度の「戦前回帰」ではなく、恩給制度自体に起因する不平等や不均衡を改めて再編・固定化した措置であり、旧軍人及びその遺族の受給者にとって大きな不満をもたらした。それゆえ、軍人恩給の復活以後、改善措置を求める旧軍人団体の大規模な政治運動を展開させていく〈軍人恩給をめぐるパラドクス〉を創出させたことが、真の意味での「画期性」であったことを指摘する。
◆第4回 旧陸軍士官学校52期生に見る戦争と戦後
開催日:2023年12月20日(水)19:00-21:00
講師:山岡幹郎(写真家/NPAコーディネーター)
概要:父の書棚に遺された本に『防人の譜』があります。父もその一人である旧陸軍士官学校52期生たちが、1979年に刊行した本です。彼ら52期生は十代後半の1936年に士官学校に入校し、翌年から始まるアジア太平洋戦争の最前線の指揮官として養成されます。1945年、軍隊の階級を少佐で終えた彼らは山縣さんの定義では「旧軍エリート」の最下部に位置します。少し議論を先取りすれば、636名いた52期の卒業生は216名を戦争で亡くしています。三人に一人の割合です。それがこの集団の結束の核心を形成することになります。その「同期生」意識は彼らの戦後をも支えたように見えます。死を絆とする集団。それが彼らに対する私のなかのイメージです。『防人の譜』を手がかりに、そのことの意味を本コースの「帝国陸海軍の戦後史」の議論に絡めながら考えます。
◆第5回「軍歴票」から読む戦争と戦後
開催日:2024年1月10日(水)19:00-21:00
講師:奥田豊己(わだつみのこえ記念館)/山岡幹郎(写真家/NPAコーディネーター)
概要:旧陸海軍の軍人・軍属には一人一人に「軍歴票」が作られています。それは今でも国や都道府県が保管していて親族が手続きすれば取り寄せることができます。今回は海軍と陸軍の軍歴票を具体的に読みながら、国家が兵士をどのように記録していたのか、そこから更に靖国合祀への過程、遺族年金の仕組みなどを考えます。
◆第6回 座談会/軍人恩給から考えるもう一つ戦後史
開催日:2024年1月24日(水)19:00-21:00
講師:内海愛子/山縣大樹/奥田豊己/山岡幹郎
概要:戦後史の観点から帝国陸海軍や軍人恩給を考えた今期講座の締めくくりとして、内海の発題(「忘れられた皇軍」など、)のあとに座談会を行います。この講座のコーディネーター内海の発題と3人の講師、受講者交えての座談を通じて、問題関心の共有化をはかりたいと思います。
単発での受講申込みはこちらから
https://apply.npa-asia.net/categories/2813817
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
*開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です!お申込みしていただいた後、事務局よりアーカイブ録画を1カ月期限でご案内いたします。(お申込み期限2024年1月28日)
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥