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コースタイトル:ドイツの反民主主義
コース概要:「人間の尊厳は不可侵である」を憲法第1条に掲げるドイツは、今日、世界有数の民主主義国として高い評価を受けています。しかし、気候変動、コロナ・パンデミック、移民・難民、ウクライナ戦争など、昨今の危機的な状況の中で人々の意識に変化が生じ、歴史歪曲・排外主義を公然と唱える極右政党が勢いを増しています。考えてみれば、あのナチズムを、ドイツ近現代史の「突然変異」だったとして済ませることはできません。そこで本コースPart 3では、ドイツにおける反民主主義の流れを整理し直し、現在ドイツや世界を覆う右傾化現象について一緒に考えたいと思います。
曜日:金曜日 原則隔週
時間:19:00~21:00
開催方法:オンライン開催・定員50名
講師:木戸衛一(大阪大学)
講師プロフィール
1957年生まれ。東京外国語大学卒業、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、ベルリン自由大学博士。大阪大学大学院招へい教授。ライプツィヒ大学・ボーフム大学客員教授を歴任。日本平和学会理事。ドイツ現代政治・平和研究専攻。著書に『平和研究入門』(編著、大阪大学出版会、2014年)、『変容するドイツ政治社会と左翼党』(耕文社、2015年)、『若者が変えるドイツの政治』(あけび書房、2022年) 、『希望の共産党』(共著、あけび書房、2023年)、『戦争と平和主義』(共著、いのちのことば社、2023年)など。
◆第1回 ナチ時代以前の反民主主義
開催日:2023年11月10日(金)19:00-21:00
講師:木戸衛一(大阪大学)
概要:「明治維新」より3年遅れの1871年に近代国民国家が成立したドイツは、急速な工業化・軍国主義化を遂げ、日本の模範となりました。第一次世界大戦に敗れた後、当時世界で最も先進的な憲法をもったヴァイマル共和国体制は、右翼勢力から「反独的」と蔑まれ、激しい攻撃に晒されました。ドイツの「伝統」に根差したとするナショナリズムや人種差別主義は、その後のナチ暴力支配の下地を形成したのでした。
◆第2回『わが闘争』に見る人間蔑視
開催日:2023年11月23日(木)19:00-21:00 ※日程注意!
講師:木戸衛一(大阪大学)
概要:ミュンヒェン一揆に失敗したナチ党のヒトラーは、優雅な獄中生活の中で『わが闘争』を執筆しました。そこには、彼自身の経歴に関する虚偽に始まり、民衆蔑視、反ユダヤ主義など激烈な反民主主義的言辞がちりばめられています。そして、これを闘争・宣伝の書と信奉するナチスは、「合法主義」を装いながらその実暴力的な運動で耳目を集め、議会主義を掘り崩していったのでした。
◆第3回 恐怖のナチ支配
開催日:2023年12月8日(金)19:00-21:00
講師:木戸衛一(大阪大学)
概要:ナチ暴力支配の実態とは、どのようなものだったのでしょうか? 人びとはナチ党の苛烈な政治弾圧・人種差別に不安を抱いた反面、その支配に有形無形の合意を与えていました。だからこそ、第一次大戦の時と異なり、ドイツの支配体制は無条件降伏まで持ちこたえられたわけです。他方で、実を結ばなかったとはいえ、反ナチ抵抗運動はさまざまな形で存在しました。民衆の「合意」があったことにこそ、ナチ体制の恐ろしさを読み取ることができるのです。
◆第4回 戦後ドイツの極右現象
開催日:2023年12月22日(金)19:00-21:00
講師:木戸衛一(大阪大学)
概要:戦後ドイツにおいて、ナチ犯罪を矮小化し人種差別を肯定する勢力はさまざまに存在しました。西ドイツでは、国民民主党(NPD、1964年結党)や共和党(REP、1983年結党)が地方議会に進出、国粋主義・排外主義的団体も多様に活動していました。2023年9月27日に禁止された「種の共同体」は、1951年の創設です。他方、「ドイツ軍国主義とナチズムを根絶した」はずの東ドイツにも、ネオナチによる外国人襲撃事件などの暗部が存在しました。
◆第5回 「ドイツのための選択肢」(AfD)とは何か?
開催日:2024年1月12日(金)19:00-21:00
講師:木戸衛一(大阪大学)
概要:ドイツでは「統一」直後から排外主義事件が続発し、NPDなどの地方議会進出も見られました。しかし、2013年結成の「ドイツのための選択肢」(AfD)は、国政レベルで地歩を確立した極右政党として特筆に値します。もともとギリシャ金融支援に反対して注目されたAfDは年々右傾化し、今や党内きっての実力者は、裁判所が「ファシスト」と呼ぶことを容認した人物です。彼らは、気候危機やウクライナ戦争による人々の不安感を煽り、特に東ドイツで支持を集めています。
◆第6回 「Xデー」は来るのか?
開催日:2024年1月26日(金)19:00-21:00
講師:木戸衛一(大阪大学)
概要:AfDには、「帝国市民運動」、「第三の道」などさまざまな暴力的排外主義勢力が絡んでいます。彼らは武器を秘匿し、今日の政治体制を実力で打倒する「Xデー」に備えており、その予兆は既に確認できます。しかも、本来であれば国家に奉仕すべき裁判官・警察官・兵士などの一部がこれに傾倒しているのです。新自由主義によって中間層が侵食され、人々の先行き不透明感が強まるなか、ドイツも、日本のように極右が社会の主流になってしまうのでしょうか?
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https://apply.npa-asia.net/categories/2813814
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*開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です!お申込みしていただいた後、事務局よりアーカイブ録画を1カ月期限でご案内いたします。(お申込み期限2024年1月28日)
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