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コースタイトル:死刑と日本の民主主義
コース概要:戦争と死刑は、国家に最後まで残された「合法的」な殺人行為でしたが、第二次大戦後、そのいずれについても「違法化」の流れが生じました。現在では欧州諸国を中心に死刑廃止国が多数となるなか、日本では死刑廃止を見通せない状況が続いています。「戦争放棄」の憲法のもとで、なぜ日本では死刑が存置されているのか。そこにどのような問題があるのか。法的、社会的、さらには哲学的等の角度から死刑制度を考察し、死刑廃止の可能性を探りたいと思います。
曜日:水曜日 原則隔週
時間:19:00-21:00
開催方法:オンライン開催・定員50名
コーディネーター:
- 李泳采(恵泉女子学園大学)
◆第1回 死刑廃止の流れと人権の論理
開催日:2023年11月1日(水)19:00-21:00
講師:高橋哲哉(東京大学)
概要:死刑廃止の潮流は第二次大戦後に生じ、東西冷戦終結後の1990年代以降、廃止国が激増して今日に至っています。それを可能にしたのは「人権」の論理です。死刑廃止と人権の論理の歴史的展開を概観し、日本の位置を確かめます。
◆第2回 憲法と死刑
開催日:2023年11月15日(水)19:00-21:00
講師:高橋哲哉(東京大学)
概要:日本国憲法は「戦争放棄」と「基本的人権の尊重」を謳いながら、死刑制度の存置を許してきました。そこにはとりわけ、「残虐な刑罰」とは何か、という難しい問題が横たわっています。日本の死刑制度と憲法との関係を考察します。
◆第3回 遺族感情という問題
開催日:2023年11月29日(水)19:00-21:00
講師:高橋哲哉(東京大学)
概要:日本政府は死刑制度を存置する理由として、国民世論の支持を挙げています。そしてその世論のなかで最も重視されているのが、「極刑を求める遺族感情」だとされています。この繊細で困難な問題をどのように考えればよいのか、議論したいと思います。
◆第4回 正義としての死刑
開催日:2023年12月13日(水)19:00-21:00
講師:高橋哲哉(東京大学)
概要:死刑存置論に強力な論拠を提供してきたのは、哲学者カントの議論です。「正義」の理念は「均等性」であり、「殺した者は殺されねばならない」という「同害刑法」(タリオの法)こそが、あらゆる相対性を超えて妥当する正義の原理だというのです。これをめぐって議論します。
◆第5回 死刑論の脱構築
開催日:2023年12月27日(水)19:00-21:00
講師:高橋哲哉(東京大学)
概要:「脱構築」の哲学者デリダは、死刑廃止が世界の潮流となっても、その根拠が薄弱であれば、死刑はいつでも復活すると警告します。哲学史上、その名に価する哲学者で死刑に反対した者はいないとも指摘します。デリダはどこに死刑廃止の論拠を見出したのかを探ります。
◆第6回 キリスト教「贖罪論」をめぐって
開催日:2024年1月17日(水)19:00-21:00
講師:高橋哲哉(東京大学)
概要:現代の死刑廃止の潮流に対して、キリスト教は重要な影響を及ぼしてきました。しかし、今日なおキリスト教会の主流に根強い「贖罪論」、イエスの十字架刑によって人類の罪が贖われたという思想には、死刑の論理があるのではないでしょうか。講師の問題意識を明らかにします。
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*開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です!このページよりお申込みしていただいた後、事務局よりアーカイブ録画を1カ月期限でご案内いたします。(お申込み期限2024年1月28日)
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