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コースタイトル:〈パレスチナ〉の経験-パレスチナ人の自伝や回想記を手掛かりに
コース概要:100年にわたる入植者運動によって浸食されて来たパレスチナ。しかしパレスチナ人の生活と人生は、そのように大掴みで単線的な整理では済まされません。パレスチナの主流の歴史記述には位置づけにくい〈異音〉、説明しがたい〈細部の事情〉を含めてこそパレスチナの歴史は豊かに回顧されます。数多くのパレスチナ人が個人目線で自らの経験を書き残して来ましたが、情勢の激動のなか、たくさんの言葉が埋もれ忘れられても来ました。本講座では年代や場所を絞りつつ、パレスチナ人の自伝(的小説)や回想記などのテキストを相互に重ねて読むことで、パレスチナへの視線を重層的なものとすることを目指します。
曜日:木曜 原則隔週
時間:19:00-21:00
開催方法:オンライン開催・定員50名
講師:田浪亜央江(広島市立大学/中東地域研究)
コーディネーター:山岡幹郎(写真家)
◆第1回 1930年代のパレスチナ 革命とローカルな生活世界
開催日:2024年11月14日(木)19:00-21:00
概要:1930年代、革命の機運が燃え盛る一方で広がっていく、知識人の静かな書斎光景や、女性たちの情熱と連帯。帝国主義の圧倒的な支配のなか、パレスチナの別の未来の可能性はありえたのでしょうか。ファドワー・トゥーカーンの自伝の一部などを手掛かりに、当時のパレスチナ社会にアプローチします(テキストは事前に共有します)。
◆第2回 1940年代のパレスチナ 第二次大戦とパレスチナ人
開催日:2024年11月28日(木)19:00-21:00
概要:ナクバ直前の不穏な空気とパレスチナの将来に関する不安と展望が渦巻くなか、日常を維持させようとする力も根強くありました。シオニズム運動への批判は当然としても、自己反省や相互批判も行なってきたパレスチナ社会について、私たちはどんな言葉を持ち得るのでしょうか。この時期を振り返るテキストを一緒に読んでいきます(テキストは事前に共有します)。
◆第3回 1948年 「自国で異邦人になる」という経験
開催日:2024年12月12日(木)19:00-21:00
概要:70万人以上の人々が故郷を追われ、難民化させられた1948年のナクバ。パレスチナから追われた人々だけでなく、その地に残った人々もナクバによって立場や生活を一変させられました。その苦しみに抵抗する人、過剰適応する人。ハイファやリッダでの当時の状況について、いくつかの証言を読んでいきます(テキストは事前に共有します)。
◆第4回 1982年ベイルート 語れないものを「語る」
開催日:2024年12月26日(木)19:00-21:00
概要:難民がレバノンの中に作ったパレスチナ人コミュニティは、1982年、イスラエルのレバノン侵攻によって過酷な経験を味わい、ふたたび破壊されます。イスラエルによるジェノサイドは、2023年に突然始まったわけではありませんでした。当事者たちに代わって証言した外部者のものを含めていくつかのテキストを読み、証言のあり方について考えます(テキストは事前に共有します)。
◆第5回 奪われてゆく光景を「取り戻す」
開催日:2025年1月16日(木)19:00-21:00
概要:占領下で入植が進み、変容させられていくパレスチナの景観。それは、広大な稜線をもつヨルダン川西岸地区において、より根源的なものとして目撃されました。パレスチナを歩きその光景を身体化することで奪われたものを取り戻す。それは占領が始まるずっと以前からなされた「運動」でもありました。テキストを読むことで、そこに同伴できればと思います(テキストは事前に共有します)。
◆第6回 ガザに生きる ガザを語る
開催日:2025年1月30日(木)19:00-21:00
概要:1948年以降エジプトの軍政下におかれ、その後イスラエルに占領されたガザ。この地と決別することで自分の人生を取り戻そうとすることも一つの選択であった一方、ガザの外に生きるパレスチナ人が「ガザとともに生きる」ことを課題とすることもありました。ガザが突きつけるものについて、テキストを通じて考えます(テキストは事前に共有します)。
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*開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です!
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https://apply.npa-asia.net/categories/2813802
*受講生感想*
疑問に思っていたことがよくわかりました。言葉にできるぎりぎりのところまで説明してくださって、熱意と誠意に敬意を表します。