¥9,000
コースタイトル:内海愛子と「戦争責任」「戦後責任」を考えるーラジオと戦争 コース概要:戦時下のラジオは国民に何を伝え何を伝えなかったのでしょうか。当時の放送人には、どのような矜持、葛藤、あるいは諦念があったのでしょうか。そして敗戦を跨いでラジオはどう変わったのでしょうか。何が変わらなかったのでしょうか。 今年はラジオ放送開始100周年です。この節目にあたり、ラジオの戦争責任について考えたいと思います。 曜日:水曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授、NPA共同代表) 講師プロフィール:恵泉女学園大学名誉教授、新時代アジアピースアカデミー(NPA)共同代表、1991年から韓国朝鮮人元戦犯者の補償を求める運動にかかわる。 ジェネレーター:内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)/ 許美善(NPA事務局) ◆第1回 ニュースはどう編集されていたのか 開催日:2025年10月8日(水)19:00-21:00 講師:大森淳郎(元NHKディレクター) 概要:戦前の日本放送協会は自前の取材網を持っておらず、ニュースは国策通信社・同盟通信からの配信記事に頼っていました。でも、当時の報道部員は、戦時下の放送研究誌にこう書いています。「同盟通信を使っても同盟通信以上の国策的効果があがればよい。(中略)我々編集者は常に同盟通信以上の効果をあげるために工夫し努力しなければならぬ」。その「工夫」や「努力」とはどのようなものだったのか、一次資料から検討します。 ◆第2回 戦時下のドキュメンタリーを聴く 開催日:2025年10月22日(水)19:00-21:00 講師:大森淳郎(元NHKディレクター) 概要:日本のラジオで放送された最初のドキュメンタリーは、1937年6月13日に九州エリアで放送された「長崎の印象」という20分の作品です。それから1か月もたたない7月7日には盧溝橋事件が勃発、生まれたばかりのラジオ・ドキュメンタリーは戦争と共に歩んでゆくことになります。そこでは何がどのように描かれたのか、遺された名作(?)「病院船」(1941年年5月25日放送)を分析します。 ◆第3回 放送人たちの葛藤 開催日: 2025年11月5日(水)19:00-21:00 講師: 大森淳郎(元NHKディレクター) 概要: 戦前・戦中の日本放送協会の歴史を遠望すれば、軍や政府に支配された、非自立的で没個性の、のっぺらぼうのような組織の姿しか見えません。でも、もっと接近して見れば、放送現場の絶望や葛藤、あるいは諦念といった感情の起伏が見えてきます。講演番組を担った多田不二、学校放送の父とも呼ばれる西本三十二、音楽・芸能番組で異彩を放った奥屋熊郎、3人の個性的な放送人の葛藤する姿を見つめます。 ◆第4回 南方占領地での放送 開催日: 2025年12月3日(水)19:00-21:00 講師: 村上聖一(NHK放送文化研究所メディア研究部) 概要: 戦時下、日本の陸海軍は「南方」と呼ばれた東南アジアの占領地に30以上の放送局を開設しました。占領地での放送の目的は、日本人向け情報伝達、対敵宣伝、現地住民の民心安定の3つが挙げられますが、中でも重視されたのが、大東亜共栄圏構想を浸透させるために行われた現地住民向け放送でした。石油などの資源地帯として重視された蘭印(現在のインドネシア)を中心に、南方占領地で行われた放送の実態を見ていきます。 ◆第5回 太平洋戦争末期のラジオを聴く 開催日: 2025年12月17日(水)19:00-21:00 講師: 大森淳郎(元NHKディレクター) 概要: 1944年の夏、高橋映一さんという一人のラジオ少年が、自前の録音機を完成させました。戦況が目に見えて悪化してゆく中で、高橋さんはラジオ放送の録音を始めます。「サイパン島陥落」「硫黄島玉砕」「特攻隊出撃実況」など、高橋さんが遺した貴重な音源に耳を傾けながら、それらの放送の背後にあったメディア戦略を考察します。 ◆第6回 敗戦を跨いで 開催日: 2026年1月14日(水)19:00-21:00 講師: 大森淳郎(元NHKディレクター) 概要: 敗戦を跨いでラジオはどう変わったのでしょうか。あるいは、変わらなかったのでしょうか。占領期の放送を二つの側面から検証します。一つはGHQの指導・検閲下の放送について。もう一つは、日本政府、並びに日本放送協会(NHK)の内部の動きについて。 敗戦を跨いでラジオは自由で民主的なものに変わったと片づけられがちですが、そんなに単純な話ではありません。放送の公共性とは何か、それはラジオが誕生してから今日まで、100年間、私たちの前に変わらずにある問いです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから https://apply.npa-asia.net/categories/2813801
MORE¥9,000
コースタイトル:高橋哲哉の市民哲学セミナー(応用)―「赦し」と「和解」の市民哲学(1) コース概要:不正な暴力によって傷つけられた人(個人、集団)は、傷つけた人(個人、集団)を、どこまで「赦す」ことができるのか。そもそも「赦す」ことは良いことなのか。私たちの日常生活・社会生活でも、国家や民族など集団間の紛争の場面でも、こうした問題がつねに問われています。古今の哲学、文学、宗教思想、現在進行形の事件など、多様な事例をとりあげながら、「赦し」と「和解」の可能性を考えていきます。 曜日:金曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:高橋哲哉(東京大学名誉教授) 講師プロフィール:1956年生。哲学者。主な著書に、『記憶のエチカ』、『戦後責任論』、『デリダ 脱構築と正義』、『靖国問題』、『犠牲のシステム 福島・沖縄』、『日米安保と沖縄基地論争』、『責任について 日本を問う二〇年の対話』(徐京植との共著)などがある。 ジェネレーター:蓑田瑞恵(NPA事務局) ◆第1回 ハンナ・アーレントと「赦し」の問題(1) 開催日:2025年10月17日(金)19:00-21:00 講師:高橋哲哉(東京大学名誉教授) 概要:20世紀の全体主義(ナチズムとスターリニズム)の本質を考察したアーレントは、そこで「悪」の「赦し」という困難な問題にぶつかりました。まずは彼女の代表作『人間の条件』でこの問題がどのように取り上げられているかを見ていきます。 ◆第2回 ハンナ・アーレントと「赦し」の問題(2) 開催日:2025年10月31日(金)19:00-21:00 講師:高橋哲哉(東京大学名誉教授) 概要:アーレントは人間の活動、とりわけ政治における「赦し」の重要性を説いたにもかかわらず、「赦すことも罰することもできない罪」を考えざるをえませんでした。『全体主義の起源』や『エルサレムのアイヒマン』等によって見ていきます。 ◆第3回 ウラジミール・ジャンケレヴィッチと「赦し」の問題(1) 開催日:2025年11月14日(金)19:00-21:00 講師:高橋哲哉(東京大学名誉教授) 概要:1960年代の西ドイツで、ナチス犯罪者の時効をめぐる論争が起きた際、哲学者ジャンケレヴィッチは時効反対を断固として主張しました。論争の背景を紹介しながら、彼の議論を見ていきます。 ◆第4回 ウラジミール・ジャンケレヴィッチと「赦し」の問題(2) 開催日:2025年12月12日(金)19:00-21:00 講師:高橋哲哉(東京大学名誉教授) 概要:ジャンケレヴィッチはユダヤ・キリスト教の伝統をつき詰めながら、独自の「赦し」の哲学を展開しました。その論点を紹介し、議論します。 ◆第5回 ウラジミール・ジャンケレヴィッチと「赦し」の問題(3) 開催日:2025年12月26日(金)19:00-21:00 講師:高橋哲哉(東京大学名誉教授) 概要:ジャンケレヴィッチの議論をめぐって、戦後世代のドイツ人と哲学者の間に往復書簡が交わされ、興味深い「対話」が生じました。またジャンケレヴィッチの議論はフランスの政治にも影響を与えています。それらのエピソードを材料に、謝罪、赦し、和解について考えます。 ◆第6回 多様な事例を考える 開催日:2026年1月23日(金)19:00-21:00 講師:高橋哲哉(東京大学名誉教授) 概要:5回の講座での議論を受けて、多様なジャンルから「赦し」と「和解」に関する事例をとり上げ、考察します。 参考文献(映像):講座のなかで適宜ご紹介していきます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから https://apply.npa-asia.net/categories/2813802
MORE¥9,000
コースタイトル:グローバル経済とジェンダー コース概要:平和学の発展に貢献したガルトゥングは、平和の概念を消極的平和(戦争がない状態)と積極的平和(貧困、差別、搾取、抑圧)に分類した。以後、平和学は様々な学問分野を取り入れて学際的に発展してきた。この講義ではグローバル経済の中でのアジアの経済成長/開発とジェンダーというテーマの下でフェミニスト政治経済学の観点から、構造的暴力(搾取と収奪)について途上国を事例に分析し、社会的再生産の再構築について模索する。 曜日:日曜 原則隔週 時間:18:00-20:00 ※時間注意※ 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:堀芳枝 講師プロフィール:早稲田大学社会科学総合学術院教授。平和学、Southeast Asian Studies、Gender and Developmentなどを担当。『学生のためのピース・ノート』(主偏)、2014年、コモンズ。Base of the Pyramid and Business Process Outsourcing Strategies. Singapore: Springer. 2023(共編). ◆第1回 平和学から考えるグローバル経済とジェンダー 開催日:2025年10月12日(日)18:00-20:00 講師:堀芳枝(早稲田大学社会科学総合学術院) 概要:平和学とは何か。平和学の主要な概念について学ぶとともに、平和学の観点から開発/発展、グローバル経済における構造的暴力の問題を考える際の枠組みについて説明する。 ◆第2回 東南アジアから考える古典的国際分業とジェンダー 開催日:2025年10月26日(日)18:00-20:00 講師:堀芳枝(早稲田大学社会科学総合学術院) 概要:グローバルサウス(Global South)という言葉が一時マスコミを賑わせたように、昨今のアジアは著しい経済成長を遂げている。戦後のアジアの開発の歴史を振り返りながら、女性がどのように位置づけられてきたのかを考える。 ◆第3回 東南アジアから考える新国際分業とジェンダー 開催日:2025年11月9日(日)18:00-20:00 講師:堀芳枝(早稲田大学社会科学総合学術院) 概要:成長するアジアの中で、女性たちはどのように労働市場に組み込まれているのか。ここでは、アジアの女性たちの労働の変容について生産領域の観点から具体例を示しながら、女性労働が直面している矛盾について考え、議論する。 ◆第4回 東南アジアから考える再生産領域のグローバル化とジェンダー 開催日:2025年12月7日(日)18:00-20:00 講師:堀芳枝(早稲田大学社会科学総合学術院) 概要:東南アジア、特にフィリピンやインドネシアの経済成長を押し上げている要因のひとつに海外移住労働者からの送金があげられる。1980年代以降、女性が単身で海外に渡ってケア労働を中心とする様々なサービス業で働くことが、政府の政策としても奨励された。これを「移住労働の女性化」ととらえた上で再生産領域のグローバル化というテーマのもとに検証する。 ◆第5回 先進国から考えるグローバル経済とジェンダー、そして社会の変容 開催日:2025年12月21日(日)18:00-20:00 講師:堀芳枝(早稲田大学社会科学総合学術院) 概要:1970年代の新国際分業はグローバル経済の楮図転換であった。それは先進国にどのような影響を及ぼしたのだろうか。この授業では新自由主義をキーワードに、ポスト新国際分業の先進国の産業構造の転換についてグローバル・シティの観点から説明するとともに、先進国内での「新しい貧困」について考えてゆく。 ◆第6回 資本主義の危機/社会的再生産の危機とその克服に向けて 開催日:2026年1月18日(日)18:00-20:00 講師:堀芳枝(早稲田大学社会科学総合学術院) 概要:グローバル経済とジェンダーという問題を通して見えてくるものは何か。資本主義のシステムそのものに内包する矛盾を社会的再生産の危機としてとらえ、それがどのような構造的暴力を生み出しているのかを考えるとともに、その問題の解決策について、複数の観点から考察し、議論する。 テキスト: 堀芳枝編『学生のためのピース・ノート2』コモンズ、2015年。 エスコバル、アルトゥーロ(北野収訳)『開発との遭遇』新評論、2022年。 大橋史恵・堀芳枝編『フェミニスト政治経済学』大月書店、近刊予定。 参考文献(映像):授業の中で適宜紹介します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発受講のお申し込みはこちら↓ https://apply.npa-asia.net/categories/2813803
MORE¥9,000
コースタイトル:日本と東アジアⅠ(朝鮮戦争と東アジア)-「ローカル」から見た朝鮮戦争と冷戦構造: 江原道、麗順事件、そして続く朝鮮戦争― コース概要:終戦80年、NPAは第15期までの「朝鮮戦争講座」の成果に基づいて9月に北米企画を実施し、新しいグローバール市民連帯による平和の実現を目指す。 Part16では、韓国の「ローカル」からみた朝鮮戦争のもう一つの本質を探っていく。なぜ朝鮮戦争は終わらないのか、ローカルではどう記憶されているのか。9月北米企画へ参加する講師らによる連携講座として、ローカルとグローバール視点から東アジア平和構築を考える。 曜日:月曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:江原大学校 統一江原研究院長/社会科学大学学長 講師プロフィール:宋映勳(ソン・ヨンフン)教授は、南北統一と南北関係、朝鮮半島の平和体制構築をテーマに、研究と実践を両立してきた学者である。現在、江原大学校の統一江原研究院長および社会科学大学の学長を務めており、法務部難民委員会の諮問委員、民主平和統一諮問会議の常任委員、統一部統一教育委員を務める。また、韓国国際政治学会・韓国政治学会など、主要な学術団体で副会長を歴任し、学術界と実践の現場をつなぐ研究を続けている。 ジェネレーター:李泳采(恵泉女学園大学)/ タナカノゾミ (梨花女子大学大学院博士課程) ◆第1回 接境地域から問う戦争の記憶と平和への道(江原道編 その1) 開催日:2025年10月6日(月)19:00-21:00 講師:宋映勳(江原大学校 統一江原研究院長) 概要:江原道は、朝鮮戦争当時、南北の激戦地となり、春川・楊口・麟蹄などで数多くの軍人と民間人が犠牲となった悲劇の地です。「白馬高地の戦い」では、世界の戦史にも類を見ない規模の攻防戦が繰り広げられ、一日平均5万発もの砲弾が撃ち込まれました。またこの地域では、民間人に対する「協力者」容疑による集団虐殺や、トンネル付近での虐殺が後に住民の証言やドキュメンタリーを通じて明らかになっています。江原大学 統一研究院は、江原地域における朝鮮戦争の実態を調査し、追悼活動にも関わり、朝鮮戦争のもう一つの姿を再現しています。私たちはどのように朝鮮戦争を記憶し、追悼すべきでしょうか。江原道の視点から朝鮮戦争のもう一つの本質を探っていきます。 ◆第2回 接境地域から問う戦争の記憶と平和への道(江原道編 その2) 開催日:2025年10月20日(月)19:00-21:00 講師:宋映勳(江原大学校 統一江原研究院長) 概要:江原道は、朝鮮戦争当時、南北の激戦地となり、春川・楊口・麟蹄などで数多くの軍人と民間人が犠牲となった悲劇の地です。「白馬高地の戦い」では、世界の戦史にも類を見ない規模の攻防戦が繰り広げられ、一日平均5万発もの砲弾が撃ち込まれました。またこの地域では、民間人に対する「協力者」容疑による集団虐殺や、トンネル付近での虐殺が後に住民の証言やドキュメンタリーを通じて明らかになっています。江原大学 統一研究院は、江原地域における朝鮮戦争の実態を調査し、追悼活動にも関わり、朝鮮戦争のもう一つの姿を再現しています。私たちはどのように朝鮮戦争を記憶し、追悼すべきでしょうか。江原道の視点から朝鮮戦争のもう一つの本質を探っていきます。 ◆第3回 1948年・麗水・順天10.19事件の記憶回復と記念の制度化(麗水・順天編 その1) 開催日:2025年11月3日(月)19:00-21:00 講師:姜聲湖(順天大学校人文学術院長)*依頼中 概要:「麗順10.19事件」をご存じですか? 1948年に発生した麗水・順天10.19事件は、済州4.3事件の鎮圧命令を拒否したことをきっかけに発生した武力衝突であり、数多くの民間人が犠牲となり、広範な地域に影響を与えた悲劇的な出来事です。韓国・順天大学校人文学術院は、済州4.3事件と麗順10.19事件を共同で研究し、「記憶と責任の連帯」をテーマに研究叢書を刊行し、学術大会を通じて地域と国家の記憶の拡大を試みています。姜成鎬(カン・ソンホ)教授は、麗順事件を単なる内戦的な軍事衝突としてではなく、冷戦体制の形成過程における権力構造と市民の経験が交差する場として再構成し、「記憶」と「癒し」の新たなパラダイムを提示しています。「映画『太白山脈』(1994年作品)の背景にもなった麗順事件を、朝鮮戦争の視点からローカルで再構成していきます。 ◆第4回 1948年・麗水・順天10.19事件の記憶回復と記念の制度化(麗水・順天編 その2) 開催日:2025年12月1日(月)19:00-21:00 講師:姜聲湖(順天大学校人文学術院長)*依頼中 概要:「麗順10.19事件」をご存じですか? 1948年に発生した麗水・順天10.19事件は、済州4.3事件の鎮圧命令を拒否したことをきっかけに発生した武力衝突であり、数多くの民間人が犠牲となり、広範な地域に影響を与えた悲劇的な出来事です。韓国・順天大学校人文学術院は、済州4.3事件と麗順10.19事件を共同で研究し、「記憶と責任の連帯」をテーマに研究叢書を刊行し、学術大会を通じて地域と国家の記憶の拡大を試みています。姜成鎬(カン・ソンホ)教授は、麗順事件を単なる内戦的な軍事衝突としてではなく、冷戦体制の形成過程における権力構造と市民の経験が交差する場として再構成し、「記憶」と「癒し」の新たなパラダイムを提示しています。「映画『太白山脈』(1994年作品)の背景にもなった麗順事件を、朝鮮戦争の視点からローカルで再構成していきます。 ◆第5回『村へ向かった朝鮮戦争――朝鮮戦争期、村で起こった小さな戦争たち』(その1) 開催日:2025年12月15日(月)19:00-21:00 講師:パク・チャンスン (前・漢陽大学教授)*依頼中 概要:「『村へ向かった朝鮮戦争』は、朝鮮戦争が単なる前線上の戦争ではなく、村の内部で起こった小さな内戦の連鎖であったことを告発するものです。」(パク・チャンスン著/トルベゲ出版、初版2010年、改訂版2025年刊行) 朝鮮戦争はなぜ、これほどまでに悲劇的な戦争となったのでしょうか?研究者パク・チャンスンは、階級やイデオロギー以上に、血縁・地主・宗教などの複合的な衝突構造こそが、朝鮮戦争期の村内部の対立の本質であったと分析します。 「国家は住民を分断し、その結果、同じ村、同じ家系、近隣同士が互いに殺し合うという社会的崩壊が生じたのです。」では、村単位で起きた朝鮮戦争の「内部暴力のメカニズム」とは何を意味するのでしょうか?本講座では、[ローカル]において展開された朝鮮戦争の構造的原因を探り、国家が負うべき「戦争責任」の無限の具体的意味について考察します。 ◆第6回 『村へ向かった朝鮮戦争――朝鮮戦争期、村で起こった小さな戦争たち』(その1) 開催日:2026年1月12日(月)19:00-21:00 講師:パク・チャンスン (前・漢陽大学教授)*依頼中 概要:「『村へ向かった朝鮮戦争』は、朝鮮戦争が単なる前線上の戦争ではなく、村の内部で起こった小さな内戦の連鎖であったことを告発するものです。」(パク・チャンスン著/トルベゲ出版、初版2010年、改訂版2025年刊行) 朝鮮戦争はなぜ、これほどまでに悲劇的な戦争となったのでしょうか?研究者パク・チャンスンは、階級やイデオロギー以上に、血縁・地主・宗教などの複合的な衝突構造こそが、朝鮮戦争期の村内部の対立の本質であったと分析します。 「国家は住民を分断し、その結果、同じ村、同じ家系、近隣同士が互いに殺し合うという社会的崩壊が生じたのです。」では、村単位で起きた朝鮮戦争の「内部暴力のメカニズム」とは何を意味するのでしょうか?本講座では、[ローカル]において展開された朝鮮戦争の構造的原因を探り、国家が負うべき「戦争責任」の無限の具体的意味について考察します。 その他参考資料:NPA北米特別企画 終戦80年、日韓国交樹立60年と東アジア平和実現の課題 北米と東アジア市民社会の連帯を通じた朝鮮戦争終結および植民地支配清算の模索 2025 Peace WorkShop & Campaign(September 15-19) 公式HP https://npa-asia.net/peaceworkshop 共同ワークショップ: ①ペンシルバニア州立大学(9月15日、月)「東アジアにおける戦争の記憶と植民地主義の清算」 (NPA25年秋学期(第16期コース3-2北米企画PSU編:https://apply.npa-asia.net/items/115049548) ②ジョージワシントン大学(9月17日、水)「朝鮮半島における戦争と歴史記憶の社会的再構築」 (NPA25年秋学期(第16期コース3-3北米企画GWU編:https://apply.npa-asia.net/items/115049966) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/categories/2813804
MORE¥6,000
コースタイトル:アジア市民社会ネットワーク(CENA)アジアの「今」を読むー台湾、インドネシア、韓国ー コース概要:アジア市民社会ネットワーク(CENA:Civil Education Network in Asia)とは、2012年以降、韓国、台湾、タイ、インドネシアの大学や市民団体など9団体で立ち上げたネットワークです。NPAは、CENAネットワークを引き受けてアジアの共同活動を続けています。東アジアの各国の今の情勢を現地から読み取り、アジア市民連帯の可能性を模索していきます。 曜日:日曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:陳信行(台湾・世新大学) 講師プロフィール:台湾・世新大学 社会発展研究所の教授で、専門は社会変革論、科学技術社会論(STS)、市民運動など。1990年の野百合学生運動の主要リーダーの一人として台湾民主化に貢献した。労働運動や社会運動など、学術と実践の両面で活動を続けている。 ジェネレーター:李泳采(恵泉女学園大学)/ 蓑田瑞恵(NPA事務局)/津留歴子(NPA共同代表、カカオキタ社アドバイザー) ◆第1回 戦後台湾の民主化運動の歴史(その1) ― 第1の転換期(1945~1987年) 開催日:2025年10月5日(日)19:00-21:00 講師:陳信行(台湾・世新大学) 概要:戦後台湾の民主化運動は、主に3つの歴史的転換期を中心に発展してきた。その特徴と運動の展開を時期ごとに分析する。第1の転換期(1945〜1987年)は、国民党政権下の戒厳令体制と、それに対する初期の抵抗運動が特徴である。第2の転換期(1987〜2000年)は、民主化への移行期であり、政党政治の形成と自由選挙制度の確立が進んだ。この時期には、1990年の「野百合学生運動」や1990年代後半の市民社会の台頭が重要な契機となった。 第3の転換期(2000年〜現在)は、成熟した民主主義に対する新たな挑戦の時代であり、経済格差や中国との関係、若者世代の政治意識、そして「ひまわり学生運動」などが重要なテーマとなっている。 1990年の野百合学生運動の主要リーダーであった陳信行(チン・シンシン)先生とともに、戦後台湾の民主化運動の歴史と課題を振り返り、現在の台湾社会運動の動向を共に考察する。 ◆第2回 戦後台湾の民主化運動の歴史(その2) ― 第2の転換期(1987〜2000年) 開催日:2025年10月19日(日)19:00-21:00 講師:陳信行(台湾・世新大学) 概要:戦後台湾の民主化運動は、主に3つの歴史的転換期を中心に発展してきた。その特徴と運動の展開を時期ごとに分析する。第1の転換期(1945〜1987年)は、国民党政権下の戒厳令体制と、それに対する初期の抵抗運動が特徴である。第2の転換期(1987〜2000年)は、民主化への移行期であり、政党政治の形成と自由選挙制度の確立が進んだ。この時期には、1990年の「野百合学生運動」や1990年代後半の市民社会の台頭が重要な契機となった。 第3の転換期(2000年〜現在)は、成熟した民主主義に対する新たな挑戦の時代であり、経済格差や中国との関係、若者世代の政治意識、そして「ひまわり学生運動」などが重要なテーマとなっている。 1990年の野百合学生運動の主要リーダーであった陳信行(チン・シンシン)先生とともに、戦後台湾の民主化運動の歴史と課題を振り返り、現在の台湾社会運動の動向を共に考察する。 ◆第3回 戦後インドネシアの民主化運動の歴史(その1)― 第1の転換期(1945~1998年) 開催日:2025年11月2日(日)19:00-21:00 講師:Irawan Jati(Universitas Islam Indonesia Dosen) コメント:津留歴子(NPA共同代表、カカオキタ社アドバイザー) 概要:オランダおよび日本の植民地支配から解放されたインドネシアは、戦後、複雑な独立国家の建設と政体の確立を経たが、その後スハルト体制が約30年間にわたり続いた。1998年にスハルト政権が崩壊し、インドネシアは本格的な民主化の時代を迎えることになる。1998年以前と以後で、インドネシア社会の政治体制や基本的な社会構造は大きく様変わりした。 1998年以前の民主化運動が主に国家主導の権威主義的体制からの脱却と、表現の自由・市民の権利を求める動きであったのに対し、1998年以降のインドネシアは、民主制度の定着をめぐる課題、多様な民族・宗教・地域の利害対立、そしてグローバル経済への対応といった複雑な挑戦に直面している。 インドネシアの学生運動世代であるJATI先生の実体験と視点を通じて、インドネシアの戦後民主化運動の歴史とその現在地、さらに残された課題を分析し、今後の展望について共に考察する。 ◆第4回 戦後台湾の民主化運動の歴史(その3) ― 第3の転換期(2000年〜現在) 開催日:2025年11月30日(日)19:00-21:00 講師:陳信行(台湾・世新大学) 概要:戦後台湾の民主化運動は、主に3つの歴史的転換期を中心に発展してきた。その特徴と運動の展開を時期ごとに分析する。第1の転換期(1945〜1987年)は、国民党政権下の戒厳令体制と、それに対する初期の抵抗運動が特徴である。第2の転換期(1987〜2000年)は、民主化への移行期であり、政党政治の形成と自由選挙制度の確立が進んだ。この時期には、1990年の「野百合学生運動」や1990年代後半の市民社会の台頭が重要な契機となった。第3の転換期(2000年〜現在)は、成熟した民主主義に対する新たな挑戦の時代であり、経済格差や中国との関係、若者世代の政治意識、そして「ひまわり学生運動」などが重要なテーマとなっている。 1990年の野百合学生運動の主要リーダーであった陳信行(チン・シンシン)先生とともに、戦後台湾の民主化運動の歴史と課題を振り返り、現在の台湾社会運動の動向を共に考察する。 ◆第5回 戦後インドネシアの民主化運動の歴史(その2)― 第2の転換期(1998年~現在) 開催日:2025年12月14日(日)19:00-21:00 講師:Irawan Jati(Universitas Islam Indonesia Dosen) コメント:津留歴子(NPA共同代表、カカオキタ社アドバイザー) 概要:1998年のスハルト政権崩壊以降、インドネシアはアジア有数の民主主義国家へと歩みを進めてきた。その過程で、市民社会の拡大、地方分権の推進、選挙制度の整備などが進んだ一方、汚職の構造的温存、政治エリートの再編、そして経済的不平等の拡大など、民主主義の質にかかわる課題も表面化している。 この講座では、第1部に続き、インドネシアの学生運動世代であるJATI先生の実体験と視点を通じて、現代インドネシアの民主主義が直面する新たな挑戦を多角的に検討する。 ◆第6回 李在明新政権の性格分析と2026年の韓国社会および東アジア情勢の展望 開催日:2026年1月11日(日)19:00-21:00 講師:李泳采(恵泉女学園大学) 概要:尹錫悦大統領による2025年12月3日の戒厳令布告およびクーデター、そしてその後に続いた内乱的状況を経て、市民によるいわゆる「光の革命」によって大統領が弾劾され、大統領選挙を通じて誕生したのが李在明新政権である。発足から6か月を迎えたこの政権は、いかなる政策的特徴を持ち、どのような政治的性格を有しているのか。 「光の革命」から半年が経過した現在、韓国社会はどのような課題に直面しているのかを確認しつつ、2026年における韓国社会の展望と李在明政権の性格を分析する。また、これらの変化が朝鮮半島の南北関係や米中対立下の東アジア情勢にどのような影響を与えるのかについても分析を試みる。 本講義では、韓国の政治変動を「革命的転換」として捉えつつ、国家制度、市民運動、地域秩序の三位一体的な視点から、2026年以降の東アジアの地政学的構造を展望する。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから https://apply.npa-asia.net/categories/2813805
MORE¥9,000
コースタイトル : 木戸衛一と考えるドイツの現代史と政治 概要:本コースでは、2026年2月に予定されるNPAドイツ・フィールドワークの事前学習を行います。私は第13期で「ドイツの記念碑・記念館巡り」、第14期で「「過去」が過ぎ去らない街―ベルリン」を担当しましたが、今期は、実際に訪れるベルリン、ポツダム、ドレスデンについて、新たな知見も交えて解説します。それに先立ち、第二次大戦終結80周年にちなんで、この国の「戦後80年」について一緒に考えたいと思います。 曜日:金曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:木戸衛一(大阪大学招へい教授) 講師プロフィール:1957年生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科卒業、一橋大学大学院社会学研究科単位取得退学。1990~2023年大阪大学にて教鞭。2000~01年ライプツィヒ大学、2019~20年ボーフム大学にて客員教授。主な著作に、『平和研究入門』(編著、大阪大学出版会、2014年)、『変容するドイツ政治社会と左翼党』(耕文社、2015年)、『若者が変えるドイツの政治』(あけび書房、2022年) ジェネレーター:李泳采(恵泉女学園大学) ◆第1回 ドイツの「戦後80年」 開催日:2025年10月10日(金)19:00-21:00 講師:木戸衛一(大阪大学招へい教授) 概要:第二次世界大戦でナチ・ドイツは、軍国主義日本に先立って1945年5月8日、連合国に無条件降伏しました。爾来80年、そして「統一」から35年。今日ドイツは国内的には極右勢力の増長に苦しみ、対外的にはロシアのウクライナ侵略戦争を機に軍事化が進められています。今年5月に誕生したメルツ政権は、ドイツが「欧州最強の軍隊」を持つことを目指しています。ナチズムの再来を許さないという「過去の克服」を進め、「民主主義」を高々と掲げるこの国の現状を多角的に検証します。 ◆第2回 ベルリン①(「過去の克服」の諸相) 開催日:2025年10月31日(金)19:00-21:00 ※日程注意!※ 講師:木戸衛一(大阪大学招へい教授) 概要:ナチ独裁体制のメカニズムとそれに対する抵抗を主に学びます。フィールドワークの訪問先としては、「テロの地誌学」、「抵抗運動記念館」、「戦争と暴力支配の犠牲者のための中央追悼所」、「虐殺された欧州ユダヤ人のための警鐘碑」などを想定しています。 ◆第3回 ベルリン②(もう一つの「過去」) 開催日:2025年11月7日(金)19:00-21:00 講師:木戸衛一(大阪大学招へい教授) 概要:戦後の分断時代、東独では抑圧的な共産主義体制のもと、市民生活が圧迫されました。それにまつわる「社会主義者記念碑」、「シュタージ記念館」、シオン教会、DDR(東独)博物館などをフィールドワークの見学先として想定しています。 ◆第4回 ベルリン③(未来への懸け橋) 開催日:2025年12月5日(金)19:00-21:00 講師:木戸衛一(大阪大学招へい教授) 概要:ドイツの「過去の克服」で出色なのは、開放的な姿勢で将来の世代へのバトンタッチを図っている点です。フィールドワークでは、「記憶・責任・未来」財団、「贖罪の印」財団、コリア協会などを訪問し、スタッフと意見交換したいと思います。 ◆第5回 ポツダム 開催日:2025年12月19日(金)19:00-21:00 講師:木戸衛一(大阪大学招へい教授) 概要:ベルリンの西南西35kmに位置するポツダムは、1685年にブランデンブルク選帝侯フリードリヒ・ヴィルヘルムが発した勅令により、ユグノー(フランスのカルヴァン派)など諸国から移民・難民を迎え入れて発展しました。プロイセン王国の光と影を背負うこの街では、フリードリヒ大王のサンスーシ宮殿、バルベリーニ博物館、ポツダム会談が開かれたツェツィーリエンホーフ宮殿、トルーマン米大統領が原爆実験成功の報を受け取った「ヒロシマ・ナガサキ広場」、「リンデンシュトラーセ記念館」などを訪問する予定です。 ◆第6回 ドレスデン 開催日:2026年1月16日(金)19:00-21:00 講師:木戸衛一(大阪大学招へい教授) 概要:フィールドワークの最後は、ザクセン州の州都ドレスデンに訪れます。「エルベのフィレンツェ」と呼ばれる風光明媚なこの街は、1945年2月13日米英軍の空襲で灰燼に帰しました。その「犠牲者神話」は、昨今人種差別的な運動や極右政党が猖獗を極める背景となっています。フィールドワークでは、十字架教会、聖母教会、原野墓地などを訪問し、空襲記念日の「人間の鎖」に参加して締めくくりとします。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/categories/2813806
MORE¥9,000
コースタイトル: 田浪亜央江と学ぶパレスチナ Part4 声を上げること・沈黙の声を聴くこと ジェノサイドに浸食され続けるパレスチナ内外から コース概要:ジェノサイドに抗する声が高まるなか、悪化の一途をたどる状況を前に無力感も広がっています。この世界はイスラエルによる犯罪を支えているのであり、ガザの状況と無関係な人はいません。苦しみや罪悪感のなかで、もっとも切迫したかたちで表現のありかたを模索し続けているのもパレスチナの人々です。その声を聴きながら、いま私たちがどのような声を上げ、どうすればパレスチナとともに生きていけるのかを一緒に考えていきます。 曜日:水曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:田浪亜央江(広島市立大学教員/パレスチナ文化研究) 講師プロフィール:国際交流基金中東担当専門員、成蹊大学アジア太平洋研究センター主任研究員などを経て、2017年から広島市立大学国際学部教員としてアラビア語と中東アラブ関連の授業を担当。2011年から2023年まで、ほぼ毎年パレスチナでフィールドワークを行う。 2023年10月以降は「広島パレスチナともしび連帯共同体」のメンバーとして、原爆ドーム前でのスタンディングなどの活動を続ける。 ジェネレーター:山岡幹郎(写真家) ◆第1回 生きるために書く 開催日:2025年10月15日(水)19:00-21:00 講師:田浪亜央江(広島市立大学教員/パレスチナ文化研究) 概要:ガザの若い友人が2025年春から送り続けて来てくれているメッセージを共有します。自分がもはや生きているのか死んでいるのかも分からないと書きながら、それでもガザの外の世界に自分の声を伝えようとしている彼の意思を皆さんと共有することから講座をスタートしたいと思います。 ◆第2回 声を上げる、声を拡げる 開催日:2025年10月29日(水)19:00-21:00 講師:田浪亜央江(広島市立大学教員/パレスチナ文化研究) 概要:〈10.7〉後、いち早く「ガザ・モノローグ」を世界のあちこちでリーディングすることを呼びかけたアシュタール劇場の取り組みを中心に、こうした動きを支えるこれまでの取り組みなどを紹介します。 ◆第3回 沈黙を書く、沈黙を選ぶ 開催日:2025年11月12日(水)19:00-21:00 講師:田浪亜央江(広島市立大学教員/パレスチナ文化研究) 概要:〈10.7〉後に予定されていた自身の授賞式がキャンセルされたことで、さらに注目を集めた作家、アダニーヤ・シブリー。そうした面で自作が注目されることだけでなく、「パレスチナの現実を理解するために」作品が読まれることを、彼女自身は拒み続けているように見えます。沈黙を描いた作家が、沈黙を強いられた状況のなかで自身もあえて沈黙を貫くように見えるそうした姿勢から引き出されていく言葉を共有します。 参考文献:アダニーヤ・シブリー著、山本薫訳『とるに足りない細部』(河出書房新社) ◆第4回 ジェノサイドを書く 開催日:2025年12月10日(水)19:00-21:00 講師:田浪亜央江(広島市立大学教員/パレスチナ文化研究) 概要:西岸地区でパレスチナ文化大臣として活動を続けていた作家アーテフ・アブー・サイフは、帰省中〈10.7〉に遭遇し、自身も生存の危機にさらされながらジェノサイド下の状況を伝える役割を担いました。その気概を背後で支えている、文化を守り伝えるというパレスチナ人たちの〈闘い〉のありかたを振り返ります。 参考文献:アーティフ・アブー・サイフ著、中野真紀子訳『ガザ日記』(地平社) ◆第5回 沈黙の中から歌う 開催日:2025年12月24日(水)19:00-21:00 講師:田浪亜央江(広島市立大学教員/パレスチナ文化研究) 概要:〈10.7〉後、ガザの外にいるパレスチナ人の多くが言葉を失い、表現することをひとたび中断しました。沈黙のあと再び歌い始めたガザ出身歌手ムハンマド・アッサーフを中心に、「ガザのために」「パレスチナのために」歌うこと、表現することについて考えます。 ◆第6回 接続をやり直す 開催日:2026年1月21日(水)19:00-21:00 講師:田浪亜央江(広島市立大学教員/パレスチナ文化研究) 概要:パレスチナ人であることの意味を自身の身体と声で表現してきた作家で俳優のアーミル・フレイヘルは、〈10.7〉後、以前と同じように演じ続けるのではなく、世界との接続の仕方を変えたと語ります。ガザの状況を前に平然と日常を送っていられないという〈私たち〉の呼応をその声に重ねたいと思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ コース07 田浪亜央江と学ぶパレスチナ Part4 単発での受講申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/categories/2813807
MORE¥9,000
コースタイトル:知らなかった!!OKINAWA 4 - 構造的暴力と沖縄の自己決定権 コース概要:独立王国としての政治的実態を備えていた琉球は、日本による強制併合によって、自己決定権が剥奪され内国植民地という特異な状況に置かれた。それを前提とすることなしに近現代の沖縄を理解することはできない。沖縄の自己決定権のはく奪は権力による構造的暴力と人権侵害を固定化している。沖縄戦の膨大な住民の犠牲や民意を無視した施政権分離と米軍基地の恒久化等、現在にも続く沖縄の軍事化の問題の根源である。その打破には沖縄の人々自らが自己決定権を有するという歴史認識の共有と自治の再生が必要である。その理解が今回講義の目的である。 曜日:木曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:島袋純(琉球大学) 講師プロフィール:1961年那覇市生まれ。1993年早稲田大学政治学研究科博士課程修了、1997年博士号(政治学)取得。1993年琉球大学教育学部政治学助教授、2007年より同教授。自治体職員や市民らと「沖縄自治研究会」を設立、また「沖縄国際人権法研究会共同代表」として翁長知事、玉城知事の国連演説の場を用意、著書に『「沖縄振興体制」を問う』(法律文化社、2014年)、『沖縄が問う日本の安全保障』(岩波書店、2015年)等多数。 ◆第1回 敵地攻撃のための沖縄へのミサイル配備、それに協力する首長と自治体 開催日:2025年10月9日(木)19:00-21:00 講師:島袋純(琉球大学) 概要:敵地攻撃のための沖縄へのミサイル配備、それに協力する首長と自治体 ミサイル配備が進む沖縄では、自治体主導で住民の避難訓練も進んでいる。さらには、九州への10万単位での避難計画を策定し、また、地下シェルターの建設計画も進んでいる。しかし、ほとんどの住民は入ることができない。沖縄戦において日本軍に命をつなげる食料と空間をはく奪された住民とどのような違いがあるのだろうか。 ◆第2回 島田知事、10万人を救った英雄? 開催日:2025年10月23日(木)19:00-21:00 講師:島袋純(琉球大学) 概要:10万人の命を救ったと美化される戦時行政。しかし、地域の戦場化と住民の軍人軍属化に最大限に貢献した県知事・県庁・市町村・学校の実行者たちは、戦場に未成年や高齢者まで根こそぎ動員し10万以上に上る県民の犠牲の責任者ではないのか。援護法がすり替えた沖縄の戦時行政と教育現場の罪を問い直す。それが「過去の克服」していくことになる。自治体と学校教育における「過去の克服」が今国主導で進む地域の戦場化を阻止する。 ◆第3回 援護法、軍事化を阻止できない行政と教育 開催日:2025年11月6日(木)19:00-21:00 講師:島袋純(琉球大学) 概要:沖縄への構造的暴力は、戦前、戦中、戦後、さらには復帰後も一貫している。沖縄戦で顕在化した暴力は、沖縄戦の開始以前から構造的に仕組み込まれ正統化されている暴力である。戦後の援護法は、強制的に戦場に投げ込まれた人々を戦闘参加者とし軍人軍属として扱い、沖縄への暴力を正統化し受容させる仕組みであった。したがって、沖縄戦を教材として取り上げるだけではなく、それをもたらした構造的暴力の解明に進まなければ、構造的暴力からの解放を目指す教育はできない。 ◆第4回 沖縄振興体制の構築と再編 開催日:2025年12月4日(木)19:00-21:00 講師:島袋純(琉球大学) 概要:沖縄の日本への施政権返還の本質は、在沖米基地の恒久的存続と自由使用の返還以前と同じレベルを日本政府が保障することにある。それが沖縄の代表がまったく不在であり沖縄の意思がまったく排除された沖縄返還交渉と日米共同宣言で確定した。同時に用意されたの沖縄振興体制は、日本の沖縄統治の仕組みであり、この施政権返還の本質的な目的に最大限に貢献するものとして作りこまれ、さらに今、強化されつつある。 ◆第5回 振興体制がもたらす貧困の連鎖 開催日:2025年12月18日(木)19:00-21:00 講師:島袋純(琉球大学) 概要:相対的貧困率が30%を超える沖縄では子どもの貧困率も同様に高く、それは、社会的に排除されている層、社会参加が不可能となっている層が30%に上るということを意味している。沖縄の貧困の問題は、頑固な構造であり、社会的構造、経済構造であると同時に最も重要な政治行政の仕組み=沖縄振興体制に仕組み込まれた構造がもたらしているものである。それこそ構造的暴力と言っても過言ではない。その解明を検討する。 ◆第6回 沖縄の自己決定権 開催日:2026年1月15日(木)19:00-21:00 講師:島袋純(琉球大学) 概要:日本では自己決定権の単位は、「民族」といい、中高の教科書でも民族自決と教え、すっかり定着してだれも疑わない。しかし、英語ではPeoplesであり「民族」ではない。国連でも指摘されるように沖縄の人々は自己決定権を持つ存在だと言える。沖縄が植民地化から解放され、戦場化と軍人化を免れどうにか生き延びていけるかどうかは、自己決定権を沖縄の人々自らの権利として共有することができるかにかかっている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ コース08 知らなかった!!OKINAWA 単発での受講申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/categories/2813808
MORE¥9,000
コースタイトル:「光の革命」の時代における韓国メディア運動の現状と展望 ― OTT・AI そしてグローバルメディア運動との接点を中心に コース概要:尹錫悦大統領の弾劾を経て「光の革命」と呼ばれる社会変革の新時代に入り、韓国のメディア運動もまた重要な転機を迎えています。本講座では、長年市民メディアと独立メディア運動を牽引してきたキム・ミョンジュン氏が、今後のメディア運動の新たな戦略・フレーム、そして国際連帯の可能性を多角的に論じます。 曜日:日曜 原則隔週 時間:20:00-22:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:金明準(元MEDIACT所長) 講師プロフィール:1984年にソウル大学校電気工学科を卒業後、1989年から2006年まで「労働者ニュース制作団」で活動しました。1994年から1998年までは月刊誌『キノ・デバイス』の室長を務め、2002年には独立メディアセンター「メディアクト(Mediact)」を設立し、韓国の独立映画およびコミュニティ・メディアの教育と政策活動に大きく貢献してきました。 ジェネレーター: 李泳采(恵泉女学園大学)、松浦敏尚(エンジニア, 元 市民メディアセンターMediR 事務局長)、ポポリ(NPAーTV担当) ◆第1回 韓国メディア運動とグローバルメディア運動の歴史的流れを見直す 開催日:2025年10月12日(日)20:00-22:00 講師:金明準(元MEDIACT所長) 概要:韓国のメディア運動は、軍事独裁時代から民主化運動期、キャンドル革命、そして「光の革命」に至るまで大きく変化してきました。本講義では、各時代の流れを整理し、グローバルメディア運動との関係性を踏まえながら、現在の韓国メディア運動の位置づけと課題を総合的に診断します。 ◆第2回 なぜ独立メディアが必要なのか?その意味を問い直す 開催日:2025年10月26日(日)20:00-22:00 講師:金明準(元MEDIACT所長) 概要:「独立メディア」とは何を指すのか。ジャーナリズム、独立映画、コミュニティラジオなど様々な領域にわたる独立メディアの概念を再構成し、その存在意義や今日における社会的役割、資金構造などを通じて、独立メディアの必要性を改めて考察します。 ◆第3回 プラットフォーム時代のオルタナティブメディアは何を目指すべきか 開催日:2025年11月9日(日)20:00-22:00 講師:金明準(元MEDIACT所長) 概要:オンラインプラットフォームが支配する今日のメディア環境において、オルタナティブメディアは何を目指すべきか。独立映像運動、コミュニティメディア運動、通信運動の流れを振り返りながら、プラットフォーム資本主義の中での構造的課題と戦略を探ります。さらに、日韓の事例を比較し、連携の可能性についても議論します。 ◆第4回 持続可能なメディア運動のために、法制度への介入戦略をどう見直すか 開催日:2025年12月7日(日)20:00-22:00 講師:金明準(元MEDIACT所長) 概要:メディア運動は、自立性と持続可能性を確保するために、長年にわたって法制度への介入を試みてきました。特に1998年の放送法改正以降の制度的な取り組みを振り返り、成果と限界を整理します。「光の革命」以降の政治・社会状況の変化を踏まえ、新たな制度戦略の可能性を模索します。 ◆第5回 OTT・AI時代において、メディア運動はどのような戦略とフレームを持つべきか 開催日:2025年12月21日(日)20:00-22:00 講師:金明準(元MEDIACT所長) 概要:OTTプラットフォームとAI技術が日常化する時代に、メディア運動はいかなる戦略を構築できるのか。本講義では、急速に変化するデジタル環境の中で、運動の再構成の可能性を検討し、国内外の先駆的な事例を通じて、新しい時代にふさわしいフレーム作りを考えます。 ◆第6回 なぜメディア教育が今、必要なのか?メディアリテラシーと活動家の育成の新しい可能性 開催日:2026年1月18日(日)20:00-22:00 講師:金明準(元MEDIACT所長) 概要:メディア運動は常に教育とともに発展してきました。本講義では、メディアリテラシー教育の意義と、活動家・制作者の育成のための新しい方法を模索します。既存の教育手法を超えて、ネットワーク型の生態系の中でオルタナティブメディア教育が果たすべき役割を、韓国および国際的な実践例を通して提案します。 その他:MEDIACT https://www.mediact.org/web/ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/categories/2813809
MORE¥9,000
コースタイトル:桜井均とドキュメンタリーを読む - 核と人間の80年 コース概要:ノーベル平和賞が、2017年にICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)に、また24年には被団協(日本原水爆被害者団体協議会)に授与された。しかし、日本政府は核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加さえせず、世界から非難されている。被団協の受賞は、日本の現実逃避を白日のもとにさらした。いまの核危機(ウクライナ戦争、アメリカのイラン核燃料施設爆撃など)の克服に何ができるのか。原爆のアーカイブ検索から探りたい。 曜日:火曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) ジェネレーター:山岡幹郎(写真家) ◆第1回 封印された原爆被害の原像 開催日:2025年10月7日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:原爆使用直後の広島、長崎の映像は、ほとんどをアメリカが持ち去ったため、焼けただれた被爆者の姿は消されてしまった。それが日の目を見たのは、被爆25年後の1970年のことだった。米コロンビア大学のエリック・バーナウ教授が編集した「広島・長崎 原爆 1945年8月」がそれである。これをもっとはやく見ていたら、核兵器に反対する声はもっと大きく上がっただろう。アメリカの原爆使用は極東軍事法廷(東京裁判)では裁かれず、また、悲惨な原爆映像は占領下のプレスコードで封印されてきた。それをよいことに、アメリカの統治者は原爆使用が戦争の早期終了をもたらし、戦争の犠牲者を最小限に抑えられたと詭弁を弄して恥じない。そして、昭和天皇も、終戦の詔勅で、これ以上交戦すれば、「敵ハ新ニ残虐ナル爆彈ヲ使用シテ・・・我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス・・・人類ノ文明ヲモ破却スヘシ」という、これまた国体護持のために「敗北」を認め、被爆者を事実上わすれたのだ。かくて、原爆の使用は日米同盟の基盤になった。これ以上の歴史の修正はないだろう。戦後80年の前年、2024年ノーベル平和賞が日本被団協に与えられた。しかし、2017年に同賞を授与されたICANの核兵器禁止条約に日本政府は冷淡である。なぜ、かくも原爆神話に固執するのだろうか。 ◆第2回 原爆使用を裁く 開催日:2025年10月21日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:ドラマ「虎に翼」で話題になった原爆裁判は、1955年4月、広島と長崎の被爆者たちが、アメリカの原爆使用を国際法違反として、日本政府に損害賠償を求めて提訴した。東京地方裁判所は1963年12月、原告の請求を棄却したものの、「原爆使用は国際法違反」という判決を下し、日本の経済力をもってすれば被爆者の救済を避ける理由はない、と断じた。のちの被爆者援護法や原水爆禁止運動に大きな影響を与えた。30年後、ハーグの国際司法裁判所を舞台に、真剣な議論が交わされた(1993年~96年)。訴えを起こしたのはニュージーランドの元高校教師ケイト・デュイスさん。被爆者自身が描いた「原爆の絵」を見て衝撃を受け、原爆の使用禁止を求める裁判を起こそうと決意。国際司法裁判所に提訴資格は国連機関か国家でなければならないため、ケイトさんは「世界法廷プロジェクト」をつくり、これに賛同するマレーシア、インドネシアの国連代表とともに「提訴決議案」を国連に提訴。真剣な議論の末、国際司法裁判所は「核兵器の威嚇・使用は、武力紛争に関する国際法、特に国際人道法に“一般的に”違反する」と判断した。国連憲章の自衛権が障害になっていることを示唆したのである。国際法と国家、国際法と個人の関係は後者に重心を移しつつある。二つの原爆裁判の限界と、現代に残された課題について考える。 ◆第3回 原爆を落とした者も、落とされた者も 開催日:2025年11月4日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:CG映像のなかの原爆は、「落とした」のでもなく「落とされた」のでもない。ただ「落ちて行く」。原爆が、歳月とともに、主語(責任)も述語(苦痛)もない仮想となっていく。これは、明らかに戦争に勝利するために使用されたのである。敗戦後の爆心地の上空で、原爆を使用した搭乗員たちが、作戦の結果を視察に来ていたことがわかった。そのなかには、早期終戦論に固執するエノラ・ゲイの機長ポール・ティベッツも含まれていた。彼は考えを変えなかった。しかし、原爆の使用にゴーサインを出した気象観測員クロード・イーザリー少佐は、のちに良心の呵責に耐えかねて精神の安定を崩し、退役軍人病院で亡くなった。すべてを「戦争」のせいだからと言って責任を逃れる人間と、にもかかわらず「戦争は人間の仕業だ」として生涯自らを赦さない人間。両者のあいだには埋めがたい溝がある。1995年、スミソニアン博物館でのエノラ・ゲイの機体展示に被害状況などの説明を加えることに退役軍人会が強く反発、館長を辞任にまで追い込んだ背景には、アメリカ社会に根深い「力の正義」があり、それは日米安保のなかに根強く生き延びている。 ◆第4回 核抑止論と核不拡散条約 開催日:2025年12月2日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:1970年代から、米ソ両国は、過剰な核の保有によって「相互確証破壊」の時代に踏み込んだ。一方が先制攻撃をすれば、他方の残存ミサイルが発射され、甚大な被害が相互に起こる。核抑止論の根拠である。しかし、膨大な核開発は相互の経済負担を莫大なものとし、米ソの核開発に陰りが出てきた。そこで、核兵器の制限のための交渉を持つことになった。「戦略核兵器制限交渉=SALT」( Strategic Arms Limitation Talks)」である。交渉の実務者同士が「この交渉を続けている間は核兵器は使われない」と冗談を言ったという記録がある。同時に、米ソなど核保有国は、「核不拡散条約=NTP」(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)によって、これ以上の核保有国の増加を抑えようとした。しかし、米ソが絶対的なミサイル迎撃システムを開発し、核の先制攻撃を受けてもそれを迎撃することができる能力を持てば、おのずから核の先制攻撃の敷居が低くなる。そのために、「弾道弾迎撃ミサイル制限交渉=ABMT」(Anti-Ballistic Missile Treaty)を結んだ。しかし、2022年、アメリカはロシアとの間のこの取り決めから一方的に離脱した。以上の核保有をめぐる経緯を整理し、現在の危機的状況について考える。 ◆第5回 被爆神話 開催日:2025年12月16日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:原爆関係の番組は、ほとんど毎年放送されているが、多くが被害意識の再生産に費やされてきた。この原爆の絶対神話からぬけ出すためには、アジアをはじめとする他者への視点が不可欠である。戦後50年目の8月6日の原爆記念式典で、平岡敬広島市長は、核実験の即時停止を訴えたあと、はじめて「植民地支配に対して謝罪する」と発言した。にもかかわらず、韓国KBSが「(広島からの生中継で)鐘が鳴り、鳩が放たれ、平和を誓い合うが、反省の姿は見られない。『加害者』であった日本が、ここでは『被害者』に見える」と、日本及び日本人の被爆の神話化を批判したことは衝撃的だった。「あの日」広島、長崎には、朝鮮半島出身者が6万人~10万人、広島の被爆死者の7人に1人の割合だったとされる。世論調査によると、アメリカの原爆使用が「正しかった」と答えたのは、米国(62.3%)、韓国(80.5%)、日本(8.2%)だった。この数字が語るところは、韓国人はアメリカ人以上に、原爆投下を肯定しているということだ。原爆による日米戦の終結は、日本に「天皇制民主主義」という奇妙な神話をもたらした。その日米の野合が、かつての植民地の被爆者を視野の外に排除していると言っているのである。日本被団協は、ノーベル平和賞の受賞をもって、日本政府に核兵器禁止条約への参加を求めているが、日本政府は一向に動こうとしない。被爆者自身が、自らは被害神話から抜け出し、内なる加害性を強く意識したときに、はじめて日米両国政府に「核兵器禁止条約」の締約・批准を求めることができる。2017年のノーベル平和賞との合流点はそこにしかない。 ◆第6回 ZONE 核と人間 開催日:2026年1月13日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:人間は、核爆発や原発事故によって、地上に宇宙と同様に死の世界ZONEを出現させた。そこは音も匂いも色もない死の世界だ。世界中に拡がるZONE。死の行列に加わった人々、すなわちヒバクシャは、世界から切り離される恐怖のなかで、その世界につながっていたいという強い願望のために「言葉」を紡いできた。共存しえぬものと共存する人間は、すでにZONEのなかにいる。▷メアリー・マッカーシー「ヒロシマは人類の歴史の空洞。いくら避けようとしても、アメリカ人は原爆投下の幻影に脅えている」。▷水爆実験のために流浪の旅に出たビキニ島民は、西の空から上がる太陽を見て「You are my sunshine」と歌った。やがて、ビキニは爆発的な肉体を包む水着のメタファにもなった。▷『ヒロシマ・モナムール』の監督アラン・レネ「喩えようのない現実、表象不可能なものに言葉を与えることはどのように可能だったのか? Tu ne vois rien(お前はなにも見ていない)」。▷ナバホ・インディアンの創世神話「ウランは大地のなかに留めておくべきものだ、といつも教わってきた。それは黄色の物質だ。もし解き放たれたなら、世界中の先住民文化でもそう考えられているように、それは邪悪な蛇になり、災害や死や破壊をもたらすだろう」。▷マクベス「輝く光は深い闇、深い闇は輝く光よ。幕が上がる前に、潜在的矛盾がある」。▷原爆詩人栗原貞子「〈ヒロシマ〉といえば、〈南京虐殺〉、〈ヒロシマ〉といえば〈マニラの火炎〉、〈ヒロシマ〉といえば〈ああ ヒロシマ〉とやさしくは返ってこない、アジアの国々の死者たちや無告の民がいっせいに犯されたものの怒りを噴き出すのだ、〈ヒロシマ〉といえば〈ああ ヒロシマ〉とやさしくかえってくるためには/捨てた筈の武器を/ほんとうに捨てねばならない」。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから https://apply.npa-asia.net/categories/2813813
MORE¥9,000
コースタイトル:澤登早苗の人を育てる有機園芸Part2 コース概要:なぜ、有機農業で野菜や花を育てることが人を育てることに通じるのか、平和に繋がるのか、今それが求められているのか、私たちは何をすべきか、何ができるのかを共に考える講座です。教育農場で実際に育てている野菜の様子を見ながら、有機栽培のポイントと理論について学びます。また、有機園芸を介した子育て支援プログラムや地域コミュニティの再興プログラムなどのヒントを提供します。 曜日:月曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:澤登早苗(恵泉女学園大学名誉教授、自由学園教諭、フルーツグロアー澤登共同代表) 講師プロフィール:恵泉女学園大学で有機園芸による必修科目「生活園芸」を30年間担当、子育て支援施設「あい・ぽーと」で13年間親子有機野菜教室を主宰。有機園芸が有する人を育てる力、地域課題を解決する力について実践・研究を重ねてきた。山梨では実家のフルーツグロアー澤登でブドウとキウイフルーツの有機栽培を継承、学校給食へ有機野菜提供の仕組みづくりにも取り組む。元日本有機農業学会会長、Life Lab Tama代表など。 ◆第1回 適期・適作 地域内循環 & 子育て支援と有機農業① 開催日:2025年10月6日(月)19:00-21:00※日程注意! 講師:澤登早苗(恵泉女学園大学名誉教授) 概要:適地適作、適期適作や、畑で育てた雑草活用などの資源の地域内循環がなぜ重要なのか考えます。教育農場からは、ハクサイ、ダンコン、コカブ、チンゲンサイ、サニーレタスなど秋冬野菜の定植・播種について、地域トピックは、子育て支援と有機農業~あい・ぽーとでの取り組みから~①です。 ◆第2回 好酸性・好アルカリ性植物と農業生物多様性 & 子育て支援と有機農業② 開催日:2025年10月27日(月)19:00-21:00 講師:澤登早苗(恵泉女学園大学名誉教授) 概要:作物には酸性土壌を好むものと酸性土壌では生育不良となるものがあります。その対応について、また作物と雑草など他の植物との関係、微生物などとの関係について紹介します。教育農場からは、ハクサイの観察とダンコンなど秋冬野菜の間引き、サツマイモの収穫とホウレンソウの播種について、地域トピックスは、子育て支援と有機農業~あい・ぽーとでの取り組みから~②です。 ◆第3回 冬の雑草管理 & 多摩ニュータウンにおけるコミュニティガーデンの試み①ツリーサークルガーデン 開催日:2025年11月10日(月)19:00-21:00 講師:澤登早苗(恵泉女学園大学名誉教授) 概要:冬の雑草管理の考え方について紹介します。教育農場からは、ダイコンの間引き、サトイモ・ショウガの収穫、緑肥の播種など、地域トッピクは、多摩ニュータウンコミュニティガーデンの試み①ツリーサークルガーデンです。 ◆第4回 不耕起栽培、緑肥・輪作、タネのはなし & 多摩ニュータウンにおけるコミュニティガーデンの試み②大人のための食農講座 開催日:2025年12月8日(月)19:00-21:00 講師:澤登早苗(恵泉女学園大学名誉教授) 概要:冬の間、畑をどの様に保つのか、緑肥を活用した土づくりの方法や輪作の考え方、それらのタネの確保について考えます。教育農場からは緑肥の播種、秋冬野菜の間引き・収穫、地域トピックは多摩ニュータウンにおけるコミュニティガーデンの試み②大人のための食農教室 ◆第5回 野菜の耐寒性と甘み、たい肥作り & エディブル・オーガニック・コミュニティガーデン多摩の取り組み 開催日:2025年12月22日(月)19:00-21:00 講師:澤登早苗(恵泉女学園大学名誉教授) 概要:冬野菜はなぜ、寒さに強いのか、寒さが厳しくなるのにつれて甘くなるのかその仕組みについて、また、何故、落ち葉たい肥作りが重要なのか紹介します。教育農場からは、ハクサイの防寒、秋冬野菜の間引き、落ち葉たい肥作り、地域トッピクは2020年から大学に最も近い団地で活動しているエディブル・オーガニック・コミュニティガーデン多摩の取り組みについて消化します。 ◆第6回 いのちを育む有機農業 有機農業とNDGs & コミュニティガーデン、学校菜園、子育て・子育ち支援菜園のすすめ 開催日:2026年1月19日(月)19:00-21:00 講師:澤登早苗(恵泉女学園大学名誉教授) 概要:有機農業がなぜ平和に繋がるのか、NDGsの視点も含めてともに考えたいと思います。教育農場からはダイコン、ハクサイなど冬野菜の収穫と貯蔵方法、落ち葉たい肥作りの②、地域トピックは、地域で有機菜園を広めていくコツについて、4月から始められる具体的なプログラムについて紹介し、参加者一人一人が、これから何ができるのか、一緒に考え、アイディアを出しあう時間も取りたいと思います。 テキスト:教育農場の四季(コモンズ、2005年) 参考文献(映像):「有機農業大全」(コモンズ、2019年) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/categories/2813810
MORE¥9,000
コースタイトル:韓国語Ⅰ(フンチョル先生のちょこっと韓国語入門 Part6) コース概要:本コースは、ハングルの読み書きや簡単なあいさつ表現を学んだ(学んでいる)方を対象にした韓国語の初級講座です。初級で学ぶ文法事項に、時折、韓国社会を表す単 語を組み合わせながら学んでいきます。授業の最後には、毎回、作文の練習をして、学んだ内容を深めます。ゆっくり進めていきますので、前に韓国語を習ったことはあるけど、また チャレンジしてみたい方も大歓迎です。 曜日:水曜 原則隔週 時間:10:00-12:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:韓興鉄(翻訳家) 講師プロフィール:横浜で生まれ、1980年代をソウルで過ごし、横浜へ。主に翻訳・編集の仕事や、大学等で韓国語講師をしています。『韓国語ジャーナル』(アルク)、『韓国語学習ジャーナルhana』(HANA)では毎号、ニュースや社会関連の記事を担当してきました。 ジェネレーター:蓑田瑞恵(NPA事務局)/ 日比野千佳(NPA事務局) ◆第1回 이번 역은 시청, 시청역입니다.(次の駅は市庁、市庁駅です) 開催日:2025年10月8日(水)10:00-12:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:서울역、홍대입구、신촌…。第1回は、ソウルの地下鉄駅で、ハングルの読み方に慣れていくと同時に、ソウルの地理を把握してみましょう。助詞は、「〜は」にあたる는/은、動詞は「〜です」にあたる입니다を学びます。地下鉄の案内放送を聞き取る練習も行います。 ◆第2回 여기 호두과자가 아주 유명합니다.(ここのくるみまんじゅうは大変有名です) 開催日:2025年10月22日(水)10:00-12:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:韓国も地域によって多様な特産物があります。第2回は、韓国の行政区域を通して、ハングルの読み方に慣れていくとともに、各地域の特産物を把握してましょう。助詞は「〜が」にあたる가/이、動詞は「〜ます、〜です」にあたる합니다体の作り方を学びます。最後に、「〜の特産物は◯◯です」という表現を3つ作ってみましょう。 ◆第3回 서울 지하철 기본요금은 1,550원입니다.(ソウル地下鉄の基本料金は1,550ウォンです) 開催日:2025年11月5日(水)10:00-12:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:韓国語の数字の読み方は2種類あります。第3回は、モノの値段など大きな数字によく使われる漢数詞の練習をします。いろいろなモノの値段を通して日本と韓国の物価を比べてみましょう。助詞は「〜に」にあたる에、「〜より」にあたる보다、形容詞の「高い/安い」にあたる싸다/비싸다の活用を学びます。 最後に、「〜は日本より◯◯です」という表現を3つ作ってみましょう。 ◆第4回 내일 열두 시에 백화점 앞에서 만나요.(12時にデパートの前で会いましょう) 開催日:2025年12月3日(水)10:00-12:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:数を数えたり、何時と言うときは固有数詞を使います。第4回は、固有数詞を使って時間を表現し、約束をしてみましょう。「明日」「水曜日」などの時を表す単語、「前」「横」「後ろ」などの場所を表す単語、助詞は「〜で」にあたる에서、動詞は합니다体より打ち解けた感じの해요体での活用法を学びます。最後に、約束の表現を3つ作ってみましょう。 ◆第5回 언제 한국에 가세요?(いつ韓国に行かれるんですか?) 開催日:2025年12月17日(水)10:00-12:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:初対面であれば、「〜なさります」「〜なさってください」と尊敬形を使う場面が多いかと思います。第5回は、目上やまだ打ち解けていない人に対して使う尊敬形-(으)세요を使った活用を学びます。ここでは、「〜が好きだ」を表す를/을 좋아하다を用いて、相手の好みを探る表現も練習してみましょう。 ◆第6回 올해는 자막 없이 한국 드라마를 보고 싶어요.(今年は字幕なしで韓国ドラマが見たいです) 開催日:2026年1月14日(水)10:00-12:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:新年になり、いろいろトライしてみたいことが頭に浮かんでいるのではないでしょうか。第6回は、そんなトライしてみたいことを韓国語で表現してみましょう。「〜したい」は-고 싶다で表すことができます。合わせて、今年の予定を「〜するつもりです」を表す-(으)ㄹ 거예요を使って表現してみましょう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/categories/2813812
MORE¥9,000
コースタイトル:時事ニュースで深読み!韓国社会と韓国語Part16 コース概要:本コースは、韓国の時事ニュースなどを通して韓国語を学ぶ講座です。毎回2分ほどの、さまざまな分野のニュース素材を取り上げ、関連する韓国語表現を学び、聞き取 り練習、対訳を行います。さらに、そのニュースの背景について理解を深めます。毎回、ハングルテキストの起こしや対訳資料を事前に提供します。 曜日:火曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 担当講師:韓興鉄(翻訳家) 講師プロフィール:横浜で生まれ、1980年代をソウルで過ごし、横浜へ。 主に翻訳・編集の仕事や、大学等で韓国語講師をしています。『韓国語ジャーナル』(アルク)、『韓国語学習ジャーナルhana』(HANA)では毎号、ニュースや社会関連の記事を担当してきました。 ジェネレーター:蓑田瑞恵(NPA事務局) ◆第1回 「民生経済」対策として15〜52万ウォン分の消費クーポン配給 開催日:2025年10月14日(火)19:00-21:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:6月に発足した李在明政権は、「民生経済」を立て直すために1人当たり15〜52万ウォン分の消費クーポンの配給を決め、7月には配給が始まりました。この消費クーポンはどのような仕組みで、どういった形で配給されたのでしょうか? 韓国のニュース番組を通して、消費クーポンの仕組みを知り、関連する韓国語を学びます。 ◆第2回 朴正熙殺害の金載圭、45年ぶりに再審開始へ 開催日:2025年10月28日(火)19:00-21:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:1979年10月、朴正煕大統領を暗殺し、内乱目的殺人の罪で翌年死刑になった当時の中央情報部の金載圭(キム・ジェギュ)部長の再審開始を今年の2月、ソウル高裁が決定しました。遺族が金部長の歴史的再評価が必要だとして2020年に再審を請求していたもので、高裁は金部長に対する捜査官の暴行や拷問行為を認めました。第4回は、この再審決定を報じたニュースを通して、10.26事件の概要と、裁判に関連する韓国語を学びます。 ◆第3回 蔚山の先史時代の岩刻画が世界遺産に 開催日:2025年11月11日(火)19:00-21:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:今年7月、ユネスコ世界遺産に登録された蔚山にある先史時代の岩刻画。幅約8メートル、高さ約4.5メートルの岩には、クジラの群れやオットセイ、トラやシカ、さらには逆三角形の人の顔が刻まれています。中には銛で突かれたクジラも刻まれており、先史時代の生活の様子がうかがえる遺跡となっています。第3回は、蔚山の盤亀川の岩刻画が世界遺産に登録されたニュースを通して、その価値を知るとともに、関連する韓国語を学びます。 ◆第4回 韓国の原発第1号、古里原発1号機が解体へ 開催日:2025年12月9日(火)19:00-21:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:1978年に韓国で初めて商業運転を始めた古里原発1号機。約40年の運転を経てに永久停止となり、今年の6月、韓国原子力発電所安全委員会がこの古里原発1号機の解体を承認したことで、韓国で初めての原発の完全解体が12年かけて行われることになりました。第4回は、この古里原発1号機の解体が決まったニュースを通して、古里原発1号機の歴史や解体計画について知り、原発に関連する韓国語を学びます。 ◆第5回 ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』がトニー賞を席巻 開催日:2025年12月23日(火)19:00-21:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:韓国発のミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』が、2025年のトニー賞の6部門に輝きました。米国演劇界で最も権威のある賞といわれるトニー賞を韓国で創作された作品が受賞するのは初めてです。近未来のソウルを舞台にヘルパーロボット2体のロマンスを描かれています。本作のトニー賞受賞を伝えたニュース番組を通して、ビハインドストーリーを知るとともに、関連する韓国語を学びます。 ◆第6回 260万人の外国人市民、受け入れ始めた韓国社会 開催日:2026年1月20日(火)19:00-21:00 講師:韓興鉄(翻訳家) 概要:韓国で暮らす外国人の数は260万人。これは人口の5%に当たり、韓国はOECD諸国の中でもっとも急速に外国人の受け入れが進行している国といわれています。今年1月、韓国の放送局が、韓国に暮らすさまざまな背景をもつ外国人を紹介するドキュメンタリーを制作しました。その中で「私たちは彼らと一緒に暮らしていく準備ができているだろうか」と問いかけます。第6回は、このドキュメンタリーを素材に、韓国の外国人受け入れの現況と、それに関連する韓国語を学びます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから https://apply.npa-asia.net/categories/2813812
MORE¥9,000
コースタイトル:強制連行の現場から戦後補償を考えるⅠ(日韓関係) コース概要:「戦後補償講座」Part14では、「戦後」80年という年に、日本の侵略戦争遂行のため朝鮮半島から軍人・軍属、労務者として動員された中で非業の死を遂げた数多の人々、その「遺骨」の扱われ方等を明らかにし、日本が行った戦時強制動員の非人道性を再確認していきます。 曜日:木曜 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オンライン開催・定員50名 ジェネレーター:矢野秀喜(強制動員問題解決と過去清算のための共同行動)/ 許美善(NPA事務局) / 李泳采(恵泉女学園大学) ◆第1回「戦時強制動員(軍・労務)とその死亡者」(仮) 開催日:2025年10月16日(木)19:00-21:00 講師:竹内 康人(歴史研究者)※依頼中 概要:日本の侵略戦争遂行のために植民地・朝鮮から戦地、労働現場に動員された軍人・軍属、労働者の人数、その中での死亡者の実態を明らかにする。(仮) ◆第2回「戦時強制動員犠牲者-『遺骨』の戦後史」(仮) 開催日:2025年10月30日(木)19:00-21:00 講師:小林 知子(福岡教育大学教授)※依頼中 概要:8.15以降、軍人・軍属、労務者として強制動員され亡くなった犠牲者の遺骨はどのように扱われてきたのかについて概括する。(仮) ◆第3回 タイトル 開催日:2025年11月13日(木)19:00-21:00 講師:殿平 善彦(一乗寺住職)※依頼中 概要:朱鞠内-ダム、鉄道建設等のため動員され、死亡して付近の薮の中などに埋葬、放置されていた犠牲者の遺骨を収容、安置、追悼さらに遺族に返還する取り組みを東アジア共同ワークショップとして展開してきた歴史を明らかにする。(仮) ◆第4回「長生炭鉱-『水非常』の犠牲者追悼から遺骨の収容、遺族への返還へ」(仮) 開催日:2025年12月11日(木)19:00-21:00 講師:井上 洋子(長生炭鉱の“水非常”を歴史に刻む会・共同代表)※依頼中 概要:長生炭鉱-1942年2月3日に発生した海底炭鉱天盤の崩落による水没事故で183名もの犠牲者(うち朝鮮人136名)が亡くなったにもかかわらず封印された歴史を明らかにし、犠牲者追悼にとどまらず、遺骨の収容、遺族への返還へと運動を進めてきた地域のたたかいを振り返り、今後の課題を明らかにする。(仮) ◆第5回「韓国人軍人・軍属戦没者遺骨の遺族への返還を求めて」(仮) 開催日:2025年12月25日(木)19:00-21:00 講師:上田 慶司(すべての遺骨を遺族のもとへ連絡会)※依頼中 概要:日本の戦争に軍人・軍属として駆り出され死亡したにもかかわらず、死亡通知もなく、賃金は未払いのままで、おまけに無断で靖国に合祀され、遺骨は返されない、この理不尽を衝き、遺骨の返還を求める遺族、支援者のたたかいの経過と今後の課題を明らかにする。(仮) ◆第6回「強制動員犠牲者の遺骨問題の歴史的経緯と課題」(仮) 開催日:2026年1月22日(木)19:00-21:00 講師:南 相九(東北アジア歴史財団日本研究所長)※依頼中 概要:アジア太平洋各地、日本国内各地の朝鮮人遺骨の状況、軍人・軍属、民間労務者の遺骨返還に向けた日韓政府間の協議の経過等を振り返るとともに、韓国人の遺骨の返還に向けての課題を探る。(仮) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから https://apply.npa-asia.net/categories/2813813
MORE¥6,000
コースタイトル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから https://apply.npa-asia.net/categories/2813814
MORE¥9,000
SOLD OUT
コースタイトル:世紀をまたぎ、トランスナショナルに世界を歩いた・・・-アーカイブ的に2024年を逆照射する コース概要:現在の国境線はそこに住む人びとの意志に反して、他から強制されたものが多い。例えば、アフリカの国境は、40%が直線で区切られている。植民地宗主国による図上の作業によって、かつては蛇行する川に沿って暮していた親子、夫婦、兄弟姉妹、親戚などが、無惨にも直線で分断されたのである。普段、川は生活の場として使われて往来は比較的自由だが、いったん紛争などが起こると、たちまち人々の暮らしは、国家の壁によって仕切られ、隣人や親戚が互いに銃口を向け合うことにもなる。また、部族対立も植民地支配が加わった結果、さらに激しくなった。いわば、深層に埋もれた歴史的対立が浮上してくるのである。 今回のシリーズは、1989年のベルリンの壁崩壊直後に期待された「平和の配当」が来なかったことに注目し、20世紀から21世紀にまたがる時期に生じた混乱が今日にまで尾を曳いていることを、番組アーカイブを介して見ていく。 ソ連邦崩壊、EU統合に先立って、東西ドイツが統一したことによって、中央ヨーロッパに巨大な国民国家(nation state)が出現すると、ソ連邦やユースラビア連邦を構成していた共和国群が民族主義(nationalism)に目覚め、それに宗教対立(religious conflict)が加わり、何年にもわたる内戦が続いた。東西冷戦が終わっても、植民地支配は維持され、先進国間の力の外交は続いていた。そこに、これまで伏在していたイスラム勢力が急浮上してきた。アメリカの一国主義が国際テロリズムを誘発し、その「テロとの戦い」と定義された不可解な騒乱の時代が始まり、「内戦」の世界化(globalization)が始まった。四半世紀以上も前の話であるが、その後遺症はいまだ癒えていない。冷戦は終わっていなかったとも言える。 そこで、われわれはナショナルでもインターナショナルでもない、国境を越えていくトランスナショナル(transnational)な視点を積極的に取り込んで取材を継続した。それを「潮流」シリーズと称して、表層、中層、深層の潮流が複雑に絡み合って国境を越えて流れるさまを記録した。現在、黒海沿岸や中東地域、シナイ半島で起こっている先の見えない「戦争」の本質を見極めるためにも、その前史として21世紀の初旬に見え始めた混乱の根を見極めておく必要がある。目の前の戦況に目を奪われていると、なぜこのような惨劇が続くのかがわからなくなり、ついには無関心に流されてしまう。そこで、今も蓄積されつつあるアーカイブの内側に分け入って、国家横断的な人間の「営み」「生」のあり方を見直す。 過去の番組は、固定的に保存されているのではなく、相互のタグ付けを粘り強く継続することで、見えざる連続の根源が見えてくる可能性がある。逆に断絶があるかもしれない。そのときは、その断絶の意味を考える。アーカイブはそれを使う側の想像力に委ねられている。 曜日:火曜日 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オン開催 -オンライン定員:50名 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) コーディネーター: 山岡幹郎(写真家) ◆第1回 国連決議なきコソボ空爆とアメリカ一極主義 開催日:2024年7月9日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:チトーが指導したユーゴスラビア社会主義連邦共和国は、セルビア、コソボ、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルッエゴビナ、モンテネグロ、マケドニアで構成され、非同盟主義を掲げていた。しかし、中央ヨーロッパに巨大な国民国家ドイツが再生したことで、ドイツ語圏のスロベニア、クロアチアなどがまず独立の名乗りを上げた。それに対して、スラブ語圏のセルビアが猛反発した。そこに、ムスリム系のボスニアが加わり、大混乱に陥った。ユーゴスラビア連邦時代の首都ベオグラードを有するスラブ系のセルビアは、分裂に終始反対だった。その集約的表現が、オスマン帝国が残して行ったコソボに対する「民族浄化」(ethnic cleansing)政策であった。ナチスを連想させるこの言葉は、センセーショナルに世界に広がり、アメリカの「国連決議なき」コソボ空爆(1999年)に弾みをつけた。しかし、「民族浄化」は、アメリカの広告代理店の造語だと言われる。こうしたアメリカの一国主義は、その後、2001年9月11日の同時多発テロを招いたとされる。 [映像] ・シリーズ「ユーゴスラビア崩壊~第3回 独立戦争~」 ・NHKスペシャル「民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~」(2000年) ◆第2回 イスラム潮流から9・11同時多発テロへ 開催日:2024年7月23日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:1999年当時、アメリカのイスラムはユダヤ教徒以上に多かった。多くはイスラム圏からの移住者だったが、貧困層のなかには新しいイスラム教徒を増やしていた。1990年の湾岸戦争で、アメリカ側についたイスラム圏の国々が寄付して、マンハッタンに巨大モスクを建てた。しかし、反発も大きく、例えばフロリダ州タンパのイスラムのイマームが「理由なき逮捕」をされた。こうした措置は、ソ連のスパイを逮捕するときに、安全保障上の理由から逮捕の理由を告げず、釈放するときも理由を告げなかった時代の遺物であり、それがイスラムに多く使われた。後でわかったことだが、世界貿易センターを破壊した飛行機の操縦士は、フロリダのタンパで実習訓練を受けていたという。9・11以降、アメリカのアルカーイダ掃討作戦がアフガニスタンで行われた。その際、多くの容疑者が「不法戦闘員」として捉えられカリブのキューバにあるグアンタナモ基地に収容された。じっさい、それぞれの出身地を調べたところアフガン人以外のほとんどのイスラム圏から連れてこられていたことが判明。しかも、彼らは「戦争捕虜」でも「犯罪者」でもないので、裁判を受ける権利もなく、釈放の理由がないため長期にわたって拘留された。アメリカは、いわば全イスラムを敵に回すことになった。 [映像] ・NHKスペシャル大型企画「イスラム潮流 第3集マンハッタンにコーランが流れる~アメリカ~」(1999年):このとき撮影した破壊前の世界貿易センター・ビルの映像 ・NHKスペシャル大型企画「21世紀の潮流 アメリカとイスラム」第1集「カリブの囚われ人たち~「対テロ戦争」もう一つの最前線~」 ◆第3回「イスラム潮流」の先にロシア最深部の闇が見えた 開催日:2024年8月6日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:メッカ巡礼を取材中に、旧ソ連のコーカサス地方からイスラム教徒が多数来ていたことに注目。ダゲスタン、チェチェンはもともとイスラム教徒の地だった。当時、プーチンはチェチェン攻撃を繰り返していた。それと同時に、東方正教会の活動も盛んになっていた。プーチンが大統領就任のときには、ロシア正教会の大僧正が立ち会っていた。中には、ユダヤ教のシナゴーグまで出現したが、彼らはロシアの弾圧を知っていたので、南に逃れ、イスラエルに結集していた。ロシアの奥深くで何が起こっていたのか。その混乱の中で、多くの若者がイスラム戦士になったり、祖国防衛のロシア兵になったり、旧ソ連時代の英雄だったタタール人が連邦崩壊とともに身の置き場がなくなり鉄道自殺したりした。カザフスタンにはモスクが復活し、コーランを学ぶ若者がたくさんいた。やがて、チェチェンのイスラムによって、モスクワ・アパート爆破事件が起こった。プーチンはアメリカに先駆け「対テロ戦争」につき進んで行った。 [映像] ・NHKスペシャル大型企画「イスラム潮流 第1回 すべてはメッカから始まる~サウジ・ロシア・インドネシア」 ・NHKスペシャル大型企画「激動・地中海世界 第2集 コーカサス回廊を越えて~ロシア・グルジア・イスラエル~」:このなかに、プーチンのロシアに揺れる少数民族がいる。ジョージア正教会の復活、プーチンのアメリカ接近、G7での卑屈な演説、ロシア在住ユダヤ人への配慮) ◆第4回 ディアスポラからみたガザ地区~国家・宗教の枠を超える難しさについて 開催日:2024年8月20日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:ホロコーストの生き残りがパレスチナの地に国家をつくった。しかし、そこにはパレスチナ人が多様な生活していた。パレスチナ人は「犠牲者の犠牲者」になった。ユダヤ人のなかに色濃く残るシオニズムは、他者を寄せ付けない。逆に、ホロコーストを生き残りながらも居場所がないディアスポラ(離散者)としてのユダヤ人も少数ながらいた。パレスチナの隔離壁をこえて、自由なイスラエル人とパレスチナ人の交流があった。 [映像] ・ETV特集「映画ルート181 パレスチナ・イスラエル境界線の記録」(イスラエル人監督エイアル・シヴァン&パレスチナ人監督ミシェル・クレフィが架空の道181号線を行く) ・「こころの時代~ガザに『根』を張る ガザの人権派弁護士ラジ・スラーニ」(2014) ・「こころの時代~紛争からの声を届けて ジャーナリスト、アミラ・ハス」(2017) 以上2番組は、故徐京植氏がそれぞれインタビューし、死の直前に始まったガザ攻撃のことに触れた前説、後説を入れて再放送したもの。 ・「アメリカのパレスチナ人」「兵役拒否~イスラエル・18歳の決断」など ◆第5回 ローマ教皇、動く- イラク戦争前夜のバチカン外交 開催日:2024年9月3日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:宗教、民族、国家を超えた存在としてのローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、イラク戦争前夜、アメリカとイラクに対して、枢機卿を現地に派遣し、平和のための外交を行なった。アメリカは、イラクの核開発に過剰反応し、国連の査察が核の発見ができないうちに、国連決議なき戦争を始めた。その理由は、アメリカが当てにしていた国連の理事会のメンバーの中にカトリック国があり、教皇が戦争に反対していることから自らの政治力が及ばないことを知ったからである。そもそもの開戦決議案を姑息にも降ろし、それ以前の査察に協力的でないことを制裁の根拠とする決議案を復活させ、強引にイラク攻撃を開始した。コソボ空爆に次ぐ暴挙である。ローマ法王の「殺すな」の一言が、世界の宗教を結び、声なき人々をつないだ。無力であるがゆえに重みをもった瞬間を世界が受け止めた。 [映像] ・NHKスペシャル「ローマ教皇、動く~バチカン外交~」(2004年) ◆第6回 ユーラシア21世紀の潮流、中央アジアを貫く道 開催日:2024年9月17日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:ユーラシアの語源は、europとasiaの合成語である。イスラムの勢力圏的にはアラビア語圏、ペルシャ語圏の北側トルコ語圏を結ぶ道である。一部は、かつてのシルクロードと重なる。トルコから中央アジアを経て新疆ウイグル自治区にいたるライン、ここにも複雑な歴史を持つ国境がある。NHK取材班は、パキスタンのカラコルム・ハイウエイを北上し中国との国境まで行ったが、そこから先にはいかれず、一度、北京に戻ってから新疆ウイグル自治区に入る予定だった。しかし、中パ国境からの帰り道、車が崖下に転落し、パキスタン人の運転手とNHKスタッフ3人が即死するという事故が起こった。このときのディレクターは、かつてシルクロードの担当者で、新旧の道を重ねて描くという壮大な企画を持っていた。今回、彼が何をイメージしていたのかを考える。 [映像] ・NHKスペシャル「ユーラシア・21世紀の潮流」(2002年) ・「シルクロード」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 単発での受講申込みはこちらから https://apply.npa-asia.net/categories/2813804 ↓これまでの講座の様子ハイライトはこちら♪
SOLD OUT¥9,000
SOLD OUT
コースタイトル:荻野富士夫/「満洲国」の治安維持法 コース概要:1932年に傀儡国家として建国された「満洲国」には治安維持法が存在していました。1937年末まで日本の治安維持法が発動されたあと、1941年末に「満洲国」治安維持法が制定・施行されると、反満抗日運動弾圧の大きな武器となりました。その猛威ぶりは、日本国内ではなかった治安維持法による死刑判決が「満洲国」において2000人近くあったことで明らかです。このことは治安維持法の「悪法」ぶりをさらに明らかにするにとどまらず、「キメラ」と称される「満洲国」がどのような国家であったかを知らしめてくれます。 コースメイン画像:関東憲兵隊司令部。左手奥は関東軍司令部。(奈良県立図書情報館所蔵絵はがき「新京名勝十六景」より) 画像2:「満洲国」司法部 Wikipedia(パブリックドメイン) 曜日:水曜日 原則隔週 時間:19:00-21:00 開催方法:オン・オフ開催 -オンライン定員:50名 -オフライン定員:10名 講師: 荻野富士夫 (小樽商科大学名誉教授) コーディネーター: -内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授) - 許美善(恵泉女学園大学院) ◆第1回 関東庁・関東局の治安維持法の運用(1925~1945年)と在満外務省警察の治安維持法の運用(1925~1937年) 開催日:2023年7月12日(水)19:00-21:00 講師:荻野富士夫 (小樽商科大学名誉教授) 概要:日露戦争後、租借した遼東半島を関東州と呼び、関東庁(のち関東局)をおきます。1925年、朝鮮・台湾と同様に日本の治安維持法が施行され、高等警察・思想検察もおかれ、中国共産党の組織や日本人の共産主義運動に弾圧を加えました。一方、中国東北部には不平等条約に発する外務省警察(領事館警察)が各地に配置され、中国共産党満洲省委員会などへの弾圧にもあたります。「間島」地域では朝鮮人の運動に治安維持法を発動しました。それは「満洲国」建国後もつづき、37年に治外法権撤廃となるまで治安維持法を運用するほか、次回でとりあげる暫行懲治叛徒法なども運用しました。 ◆第2回 暫行懲治叛徒法・暫行懲治盗匪法の制定(1932~1935年) (ざんこうちょうちはんとほう・ざんこうちょうちとうひほう) 開催日:2023年7月26日(水)19:00-21:00 講師:荻野富士夫 (小樽商科大学名誉教授) 概要:「満洲国」建国後まもなく、中華民国時代の治安法令を踏襲するかたちで、暫行懲治叛徒法・暫行懲治盗匪法が施行されます。1935年頃までは反満抗日運動に対して関東軍を中心とする軍事的討伐が展開されますが、これを補完するものとして盗匪法に規定された「臨陣格殺」と「裁量措置」が頻発され、交戦後の現地での殺害=「厳重処分」がなされました。また、「国憲を紊乱し、国家存立の基礎を急殆若は衰退せしむる目的」での結社組織に対して、叛徒法は思想工作の始動とともに活用されていきます。 ◆第3回 暫行懲治叛徒法運用の全開(1936~1940年) 開催日:2023年8月9日(水)19:00-21:00 講師:荻野富士夫 (小樽商科大学名誉教授) 概要:軍人としては際立っていたわけではない東条英機が1940年代に独裁的な権力をふるう転機となったのは、1935年に関東憲兵隊司令官に就任したことにあります。関東憲兵隊に全満憲警の統制権限を集中させ(警務統制委員会の設置)、思想的工作に重点をおき、暫行懲治叛徒法を駆使して反満抗日運動の地下組織などの摘発に奔走しました。叛徒法の全開を可能にしたのは、並行して「満洲国」思想司法体制を整備確立したからです。日本国内の思想検事らが大量に出向し、「文化討伐」・「司法討伐」を掲げて反満抗日運動を抑え込んでいきました。 ◆第4回 「満洲国」治安維持法の猛威(1941~1945年) 開催日:2023年8月23日(水)19:00-21:00 講師:荻野富士夫 (小樽商科大学名誉教授) 概要:「満洲国」治安維持法は1941年12月末、暫行懲治叛徒法・盗匪法に代って施行されました。「満洲国」の「国体」変革をめざす反満抗日運動・思想が処罰の対象です。万里の長城線を越えて八路軍が進攻し、治安状況が悪化した熱河省西南地区では大規模な粛正作戦が展開され、軍事的討伐に加えてこの治安維持法が、どこでも開廷できて一審かつ終審の「特別治安庭」とのセットで威力を発揮しました。立案と運用の中心にあった飯守重任は、戦後、撫順戦管理所で西南地区粛正工作のみで約1600人を死刑にしたと供述しています。 ◆第5回 アジア太平洋戦争期の関東憲兵隊 開催日:2023年9月6日(水)19:00-21:00 講師:荻野富士夫 (小樽商科大学名誉教授) 概要:関東憲兵隊の1905年創設以来の歴史を素描したうえで、アジア太平洋戦争期の特高警察機能に注目します。防諜の徹底を図り、共産抗日組織への弾圧を連続するだけでなく、「鮮満人」の民心の動向にも眼を向けました。反満抗日運動に関与したとして検挙・取調を受けると、次には軍法会議による「厳重処分」、治安維持法による司法処断のほかに、七三一部隊への「特移扱」としての送付がありました。一部判明する「特移扱」の実態にもふれます。 ◆第6回 「満洲国」における行刑・矯正輔導(1934~1945年)と「満洲国」治安体制の崩壊(1945年) 開催日:2023年9月20日(水)19:00-21:00 講師:荻野富士夫 (小樽商科大学名誉教授) 概要:暫行懲治叛徒法・盗匪法および「満洲国」治安維持法は多くの死刑を科すとともに無期を含む長期の徒刑(懲役)を科し、監獄に収容します。その行刑では自給自足を目標とする「監獄特別会計制度」を1937年から実施し、さらに監獄外の企業での強制労働も始めます。43年には治安維持法制定の際に後回しとされた「思想犯矯正法」(予防拘禁に相当)を施行するとともに、労働力確保を目的に浮浪者とみなした人々を矯正輔導院に収容して強制労働を科す「保安矯正法」を施行します。最後に関東憲兵隊や「満洲国」司法の崩壊にふれます。 単発での受講申込みはこちらから https://apply.npa-asia.net/categories/2813817
SOLD OUT¥50,000
NPAを特別にご支援くださる方へ、パワフルになった『スペシャル見放題プラン』です。以下3つの特典 ①全コース取り放題 ②録画視聴3か月まで延長サービス ③PAFLEX第7期まで全て965講座6か月見放題特典 が付いてきます! NPA特別企画へも優先的に無料でご招待いたします。 ご購入時にご希望のコース・講座(第※回目)を 購入者情報の備考欄に ご記⼊ください。 *収益は全てNPA講座運営資金になります。どうぞご支援・ご応援をよろしくお願いいたします。
MORE¥30,000
NPAの活動にご賛同いただき、30,000円以上のご支援をいただける方には、10コースがとり放題になります。10コースにまたがる講座を受講したい方にオススメです。 1コース(6講座)あたり3,000円になります。 *PAFLEX6か月見放題特典付き。 *NPAフォーカス企画にも優先的に無料でご招待します。 購入時に、ご希望のコースを購入者情報の備考欄に ご記⼊ください。 なお、初回講座開始以降のキャンセルは受け付けられませんので、ご注意ください。
MORE¥20,000
NPAの活動にご賛同いただき、20,000円のご支援をいただける方には、お好きな3コースを受講していただけます。複数の興味のあるコースを受講したい方にオススメです。 1コース(6講座)あたり6,666円になります。 *NPAフォーカス企画にも優先的に無料でご招待します。 購入時に、ご希望のコースを購入者情報の備考欄に ご記⼊ください。 なお、初回講座開始以降のキャンセルは受け付けられませんので、ご注意ください。
MORE¥6,000
学⽣の⽅向けの料⾦です。 ※購入時に ご希望のコースとご所属 を 購入者情報の備考欄に 記⼊ください。事務局から確認のためにご連絡させていただく場合がございます。
MORE¥1,000
学⽣の⽅向けの料⾦になります。 ※ 購入時に ご希望のコース・講座(第※回目)とご所属 を 購入者情報の備考欄に 記⼊ください。事務局から確認のためにご連絡させていただく場合がございます。
MORE