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◆第1回 封印された原爆被害の原像 開催日:2025年10月7日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:原爆使用直後の広島、長崎の映像は、ほとんどをアメリカが持ち去ったため、焼けただれた被爆者の姿は消されてしまった。それが日の目を見たのは、被爆25年後の1970年のことだった。米コロンビア大学のエリック・バーナウ教授が編集した「広島・長崎 原爆 1945年8月」がそれである。これをもっとはやく見ていたら、核兵器に反対する声はもっと大きく上がっただろう。アメリカの原爆使用は極東軍事法廷(東京裁判)では裁かれず、また、悲惨な原爆映像は占領下のプレスコードで封印されてきた。それをよいことに、アメリカの統治者は原爆使用が戦争の早期終了をもたらし、戦争の犠牲者を最小限に抑えられたと詭弁を弄して恥じない。そして、昭和天皇も、終戦の詔勅で、これ以上交戦すれば、「敵ハ新ニ残虐ナル爆彈ヲ使用シテ・・・我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス・・・人類ノ文明ヲモ破却スヘシ」という、これまた国体護持のために「敗北」を認め、被爆者を事実上わすれたのだ。かくて、原爆の使用は日米同盟の基盤になった。これ以上の歴史の修正はないだろう。戦後80年の前年、2024年ノーベル平和賞が日本被団協に与えられた。しかし、2017年に同賞を授与されたICANの核兵器禁止条約に日本政府は冷淡である。なぜ、かくも原爆神話に固執するのだろうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [コース10] 桜井均とドキュメンタリーを読む - 核と人間の80年 コースお申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/items/115054581
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◆第2回 原爆使用を裁く 開催日:2025年10月21日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:ドラマ「虎に翼」で話題になった原爆裁判は、1955年4月、広島と長崎の被爆者たちが、アメリカの原爆使用を国際法違反として、日本政府に損害賠償を求めて提訴した。東京地方裁判所は1963年12月、原告の請求を棄却したものの、「原爆使用は国際法違反」という判決を下し、日本の経済力をもってすれば被爆者の救済を避ける理由はない、と断じた。のちの被爆者援護法や原水爆禁止運動に大きな影響を与えた。30年後、ハーグの国際司法裁判所を舞台に、真剣な議論が交わされた(1993年~96年)。訴えを起こしたのはニュージーランドの元高校教師ケイト・デュイスさん。被爆者自身が描いた「原爆の絵」を見て衝撃を受け、原爆の使用禁止を求める裁判を起こそうと決意。国際司法裁判所に提訴資格は国連機関か国家でなければならないため、ケイトさんは「世界法廷プロジェクト」をつくり、これに賛同するマレーシア、インドネシアの国連代表とともに「提訴決議案」を国連に提訴。真剣な議論の末、国際司法裁判所は「核兵器の威嚇・使用は、武力紛争に関する国際法、特に国際人道法に“一般的に”違反する」と判断した。国連憲章の自衛権が障害になっていることを示唆したのである。国際法と国家、国際法と個人の関係は後者に重心を移しつつある。二つの原爆裁判の限界と、現代に残された課題について考える。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [コース10] 桜井均とドキュメンタリーを読む - 核と人間の80年 コースお申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/items/115054581
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◆第3回 原爆を落とした者も、落とされた者も 開催日:2025年11月4日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:CG映像のなかの原爆は、「落とした」のでもなく「落とされた」のでもない。ただ「落ちて行く」。原爆が、歳月とともに、主語(責任)も述語(苦痛)もない仮想となっていく。これは、明らかに戦争に勝利するために使用されたのである。敗戦後の爆心地の上空で、原爆を使用した搭乗員たちが、作戦の結果を視察に来ていたことがわかった。そのなかには、早期終戦論に固執するエノラ・ゲイの機長ポール・ティベッツも含まれていた。彼は考えを変えなかった。しかし、原爆の使用にゴーサインを出した気象観測員クロード・イーザリー少佐は、のちに良心の呵責に耐えかねて精神の安定を崩し、退役軍人病院で亡くなった。すべてを「戦争」のせいだからと言って責任を逃れる人間と、にもかかわらず「戦争は人間の仕業だ」として生涯自らを赦さない人間。両者のあいだには埋めがたい溝がある。1995年、スミソニアン博物館でのエノラ・ゲイの機体展示に被害状況などの説明を加えることに退役軍人会が強く反発、館長を辞任にまで追い込んだ背景には、アメリカ社会に根深い「力の正義」があり、それは日米安保のなかに根強く生き延びている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [コース10] 桜井均とドキュメンタリーを読む - 核と人間の80年 コースお申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/items/115054581
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◆第4回 核抑止論と核不拡散条約 開催日:2025年12月2日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:1970年代から、米ソ両国は、過剰な核の保有によって「相互確証破壊」の時代に踏み込んだ。一方が先制攻撃をすれば、他方の残存ミサイルが発射され、甚大な被害が相互に起こる。核抑止論の根拠である。しかし、膨大な核開発は相互の経済負担を莫大なものとし、米ソの核開発に陰りが出てきた。そこで、核兵器の制限のための交渉を持つことになった。「戦略核兵器制限交渉=SALT」( Strategic Arms Limitation Talks)」である。交渉の実務者同士が「この交渉を続けている間は核兵器は使われない」と冗談を言ったという記録がある。同時に、米ソなど核保有国は、「核不拡散条約=NTP」(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)によって、これ以上の核保有国の増加を抑えようとした。しかし、米ソが絶対的なミサイル迎撃システムを開発し、核の先制攻撃を受けてもそれを迎撃することができる能力を持てば、おのずから核の先制攻撃の敷居が低くなる。そのために、「弾道弾迎撃ミサイル制限交渉=ABMT」(Anti-Ballistic Missile Treaty)を結んだ。しかし、2022年、アメリカはロシアとの間のこの取り決めから一方的に離脱した。以上の核保有をめぐる経緯を整理し、現在の危機的状況について考える。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [コース10] 桜井均とドキュメンタリーを読む - 核と人間の80年 コースお申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/items/115054581
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◆第5回 被爆神話 開催日:2025年12月16日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:原爆関係の番組は、ほとんど毎年放送されているが、多くが被害意識の再生産に費やされてきた。この原爆の絶対神話からぬけ出すためには、アジアをはじめとする他者への視点が不可欠である。戦後50年目の8月6日の原爆記念式典で、平岡敬広島市長は、核実験の即時停止を訴えたあと、はじめて「植民地支配に対して謝罪する」と発言した。にもかかわらず、韓国KBSが「(広島からの生中継で)鐘が鳴り、鳩が放たれ、平和を誓い合うが、反省の姿は見られない。『加害者』であった日本が、ここでは『被害者』に見える」と、日本及び日本人の被爆の神話化を批判したことは衝撃的だった。「あの日」広島、長崎には、朝鮮半島出身者が6万人~10万人、広島の被爆死者の7人に1人の割合だったとされる。世論調査によると、アメリカの原爆使用が「正しかった」と答えたのは、米国(62.3%)、韓国(80.5%)、日本(8.2%)だった。この数字が語るところは、韓国人はアメリカ人以上に、原爆投下を肯定しているということだ。原爆による日米戦の終結は、日本に「天皇制民主主義」という奇妙な神話をもたらした。その日米の野合が、かつての植民地の被爆者を視野の外に排除していると言っているのである。日本被団協は、ノーベル平和賞の受賞をもって、日本政府に核兵器禁止条約への参加を求めているが、日本政府は一向に動こうとしない。被爆者自身が、自らは被害神話から抜け出し、内なる加害性を強く意識したときに、はじめて日米両国政府に「核兵器禁止条約」の締約・批准を求めることができる。2017年のノーベル平和賞との合流点はそこにしかない。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [コース10] 桜井均とドキュメンタリーを読む - 核と人間の80年 コースお申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/items/115054581
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◆第6回 ZONE 核と人間 開催日:2026年1月13日(火)19:00-21:00 講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー) 概要:人間は、核爆発や原発事故によって、地上に宇宙と同様に死の世界ZONEを出現させた。そこは音も匂いも色もない死の世界だ。世界中に拡がるZONE。死の行列に加わった人々、すなわちヒバクシャは、世界から切り離される恐怖のなかで、その世界につながっていたいという強い願望のために「言葉」を紡いできた。共存しえぬものと共存する人間は、すでにZONEのなかにいる。▷メアリー・マッカーシー「ヒロシマは人類の歴史の空洞。いくら避けようとしても、アメリカ人は原爆投下の幻影に脅えている」。▷水爆実験のために流浪の旅に出たビキニ島民は、西の空から上がる太陽を見て「You are my sunshine」と歌った。やがて、ビキニは爆発的な肉体を包む水着のメタファにもなった。▷『ヒロシマ・モナムール』の監督アラン・レネ「喩えようのない現実、表象不可能なものに言葉を与えることはどのように可能だったのか? Tu ne vois rien(お前はなにも見ていない)」。▷ナバホ・インディアンの創世神話「ウランは大地のなかに留めておくべきものだ、といつも教わってきた。それは黄色の物質だ。もし解き放たれたなら、世界中の先住民文化でもそう考えられているように、それは邪悪な蛇になり、災害や死や破壊をもたらすだろう」。▷マクベス「輝く光は深い闇、深い闇は輝く光よ。幕が上がる前に、潜在的矛盾がある」。▷原爆詩人栗原貞子「〈ヒロシマ〉といえば、〈南京虐殺〉、〈ヒロシマ〉といえば〈マニラの火炎〉、〈ヒロシマ〉といえば〈ああ ヒロシマ〉とやさしくは返ってこない、アジアの国々の死者たちや無告の民がいっせいに犯されたものの怒りを噴き出すのだ、〈ヒロシマ〉といえば〈ああ ヒロシマ〉とやさしくかえってくるためには/捨てた筈の武器を/ほんとうに捨てねばならない」。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ *開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ [コース10] 桜井均とドキュメンタリーを読む - 核と人間の80年 コースお申込みはこちらから↓ https://apply.npa-asia.net/items/115054581
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