2020/07/10 03:15
梨の木ピースアカデミー(NPA) 協力 国際カンファレンス
「‘朝鮮戦争’70年の今 ―終わらない戦争、終われない戦争?」
日時:2020年7月27日(月)14:00~17:00
オフライン・オンライン同時開催:会場(韓国ソウル) + オンライン(ZOOM)
※ 日本語・英語・韓国語の通訳あり
※ NPA第1期の受講生は 特別招待者としてオンライン優先参加
日本からの参加者は以下のフォームからお申込みください。
受付:梨の木ピースアカデミー(NPA)
http://peaceacademy.nashinoki-sha.com
開催にあたって
2020年、朝鮮戦争が勃発してから70年、そして休戦協定が締結されてから67年が過ぎました。朝鮮戦争は朝鮮半島の南北の住民約400万名を含め、参戦した中国軍、米軍に大きな被害をもたらした、20世紀最も悲劇的な戦争のうちの一つでした。日本とモンゴル、ベトナム、台湾はもちろん、ロシアとヨーロッパも朝鮮戦争の影響を大きく受けました。ところがその戦争は今も続いています。休戦体制が終戦、そして平和体制へと移行されなかったためです。
2018年4.27南北首脳会談と板門店宣言、2018年、2019年2度の米朝首脳会談は私たちにわずかな希望の芽を見せてくれましたが、平和へ導けてはいません。しかし、米朝が過去と同様な敵対関係には戻らず、韓国の文在寅政府はもちろん、朝鮮半島の平和体制の構築に強力な意志を抱いています。希望の芽を生かし続け、南北間、米朝間の平和の歩みを続けていかなければならない重大な正念場です。
朝鮮半島の平和体制構築の出発点は、朝鮮半島で70年の間続けられた、この長い消耗的戦争を終結させることです。米国や東アジア、朝鮮半島では、朝鮮戦争終結を経て恒久的な平和体制が構築され、将来朝鮮半島を統一しなければならないという単位論についてはある程度共感しています。しかし、米国をはじめとした休戦体制の当事者や周辺国家が、簡単に終戦協議に到達することができない理由は、複雑な国際政治的な力学と強国の異なる利害関係のせいでもあります。
ところが、さらに大きな理由は、米国と周辺国家の市民たちも、朝鮮戦争が朝鮮半島の人々にどのような被害を与えて来たのかを知らない、また朝鮮戦争が未だに続いていることを知らないためです。朝鮮戦争が朝鮮半島の全ての住民や各国に与えた被害と傷も、戦後世代に十分に知らされず、平和の絶対的必要性とその意味を持続的に主張する政治勢力の力も微弱です。
朝鮮戦争休戦70年を迎えた今日、このような非正常的な戦争体制を終結させることは、朝鮮半島に限られない重要性を持っています。もちろん朝鮮半島の平和体制によって、南北の全ての住民たちが、より安全で幸せな世界で暮らすことができます。それだけでなく、激化する米中の軍備競争と東アジアの安保体制への不安を終息させ、世界各地域で続く紛争と命の殺傷も中断させることができる、非常に重要な糸口になります。はじまりがそうであったように、朝鮮戦争は世界戦争であり、東アジアの戦争でした。そのため朝鮮戦争終結は、すぐにこれらの争いを終結させ、世界平和と東アジアの平和へ向かう出発点となることでしょう。
一方、朝鮮戦争勃発70年を迎え、このイベントの主催者たちはアジア平和大学院設立を提案します。私たちは帝国主義の支配、分断、戦争、軍事独裁、人権侵害など、20世紀に人類が抱えてきたすべての痛みを体一つで抱えている朝鮮半島で、その痛みを克服し、平和によって花を咲かす教育と研究の場を広げようと思います。アジアおよび世界各国の人々と、平和の芽を共に育てる教育、そして研究の拠点に育てるという希望を抱いています。
私たちが設立しようとするアジア平和大学院は、その後朝鮮半島とアジア、そして世界平和に寄与することができる研究者と活動家を養成し、彼らと共に行動します。研究及び資料センターを設置し、アジアと世界のあらゆる場所で続く葛藤と戦争を、私たちの悩みとして考えていきます。将来、地球的和解と平和の道を開拓するための平和のプラットフォームに作り上げます。
そのような意味を込めて、今回のカンファレンスを準備しました。朝鮮戦争勃発70年、停戦協定67年を迎える2020年7月27日。ソウルで、またはオンラインで沢山の方々にお目にかかれることを期待し、招待します。
アジア平和大学設立推進委員会 一同
行事概要
・タイトル:‘朝鮮戦争’ 70年の今
・日時:2020年7月27日(月)午後2時~午後5時
オンライン・オフライン(ソウル市)にて同時進行
・会場:青年文化空間JU東橋洞 ニコラオホール(韓国ソウル市)
・祝辞
-チョ・ヒヨン ソウル市教育監
-チャン・ピルファ 韓国女性財団理事長
・主催:アジア平和大学設立推進委員会
・協力:
▶梨の木ピースアカデミー(NPA)
▶武力紛争予防のためのグローバル パートナーシップ 東アジア事務所(GPPAC NEA)
▶ピースモモ(PEACEMOMO)
▶女性平和運動ネットワーク(KWMP)
▶政策研究所 イウム(E-UM)
▶民主化運動記念事業会(KDF)
▶韓信大学 平和と公共性センター(CPPI)
▶アジア平和学会 準備委員会(APSP)
▶聖公会大学 民主主義研究所(DaSMI)
▶社団法人 子供の肩同志(OKCK)
・テーマ:グローバル戦争、‘朝鮮戦争’70年の今
▶ラウンドテーブル1:国際戦争としてみる‘朝鮮戦争’
▶ラウンドテーブル2:終わらない戦争、終われない戦争?
ラウンドテーブル1:国際戦争としてみる‘朝鮮戦争’
‘朝鮮戦争’は脱植民地と米ソ対立、米国の覇権主義樹立という転換期に発生し、
一方で植民主義を延長させ、米国覇権主義を強固にする役割をしました。しかし冷戦の局面にアジア、アフリカのいくつかの国では未完の脱植民民族主義と抵抗と戦争、そして激しい戦い(朝鮮戦争とベトナム戦争など)が続けて発生しました。
東アジアでの脱植民は、民族的社会主義体制の樹立に終わりました。そのため地球的脱冷戦以降も、冷戦の局面は持続され、朝鮮半島の分断も続いています。脱冷戦はアメリカ発の単一覇権を強固にし、中国とベトナムの改革解放にもかかわらず、朝鮮半島では冷戦が続いています。
これは朝鮮戦争が、朝鮮半島の脱植民、冷戦、分断体制を強固にするだけの連結されたものではなく、米中関係を軸にする東アジアの国際政治および朝鮮戦争に関わる各国の国内政治経済秩序、及び国内の社会体制と民主化などと深く結びついている戦争であることを言いま表します。
司会者
・金東椿(キム・ドンチュン、韓国 聖公会大学教授)
パネリスト
・和田春樹(東京大学名誉教授)
・ブルース・カミングス(シカゴ大学 教授)
・テッサ・モーリス=スズキ(オーストラリア国立大学教授)
・金恩實(キム・ウンシル、韓国 梨花女子大学教授)
ラウンドテーブル2:終わらない戦争、終われない戦争?
‘朝鮮戦争’は、70年を超えて続いています。この‘終わらない’戦争は韓国社会に、国際社会に様々な質問を投げかけています。この長い戦いは人々にどのような傷を与え、どのような痕跡を残しているでしょうか。この戦争で最も大きな直接的な被害を受けた、南北はもちろん、米国や中国と日本に残っている戦争の影響は何でしょうか。
このような傷と痕跡、影響が世界にどのようにして積もり、今日の姿となっているのでしょうか。今日も終わらない戦いが、‘終われない’戦争となる理由は何でしょうか?この長い戦いを終わらせることができるという希望の根拠は探すことができるでしょうか。どこで?どうやって?下記の専門家たちと答えを探します。
司会者
・徐載晶(ソ・ジェジョン、国際基督教大学教授)
パネリスト
・金東吉(キム・ドンギル、北京大学教授)
・内海愛子(恵泉女学園大学教授)
・モニカ・キム(ウィスコンシン-マディソン大学教授)
・金東椿(キム・ドンチュン、聖公会大学教授)
・金ジョンス(キム・ジョンス、平和を作る女性会 共同代表)
参加申請はこちら
受付:梨の木ピースアカデミー(NPA)
http://peaceacademy.nashinoki-sha.com