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[コース04] 桜井均とドキュメンタリーを読むPart10- 世紀をまたぎ、トランスナショナルに世界を歩いた・・・-アーカイブ的に2024年を逆照射する

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コースタイトル:世紀をまたぎ、トランスナショナルに世界を歩いた・・・-アーカイブ的に2024年を逆照射する

コース概要:現在の国境線はそこに住む人びとの意志に反して、他から強制されたものが多い。例えば、アフリカの国境は、40%が直線で区切られている。植民地宗主国による図上の作業によって、かつては蛇行する川に沿って暮していた親子、夫婦、兄弟姉妹、親戚などが、無惨にも直線で分断されたのである。普段、川は生活の場として使われて往来は比較的自由だが、いったん紛争などが起こると、たちまち人々の暮らしは、国家の壁によって仕切られ、隣人や親戚が互いに銃口を向け合うことにもなる。また、部族対立も植民地支配が加わった結果、さらに激しくなった。いわば、深層に埋もれた歴史的対立が浮上してくるのである。
今回のシリーズは、1989年のベルリンの壁崩壊直後に期待された「平和の配当」が来なかったことに注目し、20世紀から21世紀にまたがる時期に生じた混乱が今日にまで尾を曳いていることを、番組アーカイブを介して見ていく。
ソ連邦崩壊、EU統合に先立って、東西ドイツが統一したことによって、中央ヨーロッパに巨大な国民国家(nation state)が出現すると、ソ連邦やユースラビア連邦を構成していた共和国群が民族主義(nationalism)に目覚め、それに宗教対立(religious conflict)が加わり、何年にもわたる内戦が続いた。東西冷戦が終わっても、植民地支配は維持され、先進国間の力の外交は続いていた。そこに、これまで伏在していたイスラム勢力が急浮上してきた。アメリカの一国主義が国際テロリズムを誘発し、その「テロとの戦い」と定義された不可解な騒乱の時代が始まり、「内戦」の世界化(globalization)が始まった。四半世紀以上も前の話であるが、その後遺症はいまだ癒えていない。冷戦は終わっていなかったとも言える。
そこで、われわれはナショナルでもインターナショナルでもない、国境を越えていくトランスナショナル(transnational)な視点を積極的に取り込んで取材を継続した。それを「潮流」シリーズと称して、表層、中層、深層の潮流が複雑に絡み合って国境を越えて流れるさまを記録した。現在、黒海沿岸や中東地域、シナイ半島で起こっている先の見えない「戦争」の本質を見極めるためにも、その前史として21世紀の初旬に見え始めた混乱の根を見極めておく必要がある。目の前の戦況に目を奪われていると、なぜこのような惨劇が続くのかがわからなくなり、ついには無関心に流されてしまう。そこで、今も蓄積されつつあるアーカイブの内側に分け入って、国家横断的な人間の「営み」「生」のあり方を見直す。
過去の番組は、固定的に保存されているのではなく、相互のタグ付けを粘り強く継続することで、見えざる連続の根源が見えてくる可能性がある。逆に断絶があるかもしれない。そのときは、その断絶の意味を考える。アーカイブはそれを使う側の想像力に委ねられている。

曜日:火曜日 原則隔週
時間:19:00-21:00
開催方法:オン開催
-オンライン定員:50名
-オフライン定員:10名
講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー)
コーディネーター: 山岡幹郎(写真家)

◆第1回 国連決議なきコソボ空爆とアメリカ一極主義

開催日:2024年7月9日(火)19:00-21:00 
講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー)
概要:チトーが指導したユーゴスラビア社会主義連邦共和国は、セルビア、コソボ、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルッエゴビナ、モンテネグロ、マケドニアで構成され、非同盟主義を掲げていた。しかし、中央ヨーロッパに巨大な国民国家ドイツが再生したことで、ドイツ語圏のスロベニア、クロアチアなどがまず独立の名乗りを上げた。それに対して、スラブ語圏のセルビアが猛反発した。そこに、ムスリム系のボスニアが加わり、大混乱に陥った。ユーゴスラビア連邦時代の首都ベオグラードを有するスラブ系のセルビアは、分裂に終始反対だった。その集約的表現が、オスマン帝国が残して行ったコソボに対する「民族浄化」(ethnic cleansing)政策であった。ナチスを連想させるこの言葉は、センセーショナルに世界に広がり、アメリカの「国連決議なき」コソボ空爆(1999年)に弾みをつけた。しかし、「民族浄化」は、アメリカの広告代理店の造語だと言われる。こうしたアメリカの一国主義は、その後、2001年9月11日の同時多発テロを招いたとされる。

[映像]
・シリーズ「ユーゴスラビア崩壊~第3回 独立戦争~」
・NHKスペシャル「民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~」(2000年)

◆第2回 9・11同時多発テロは終わりなき「対テロ戦争」の起点となった

開催日:2024年7月23日(火)19:00-21:00 
講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー)
概要:1999年当時、アメリカのイスラムはユダヤ教徒以上に多かった。多くはイスラム圏からの移住者だったが、貧困層のなかには新しいイスラム教徒を増やしていた。1990年の湾岸戦争で、アメリカ側についたイスラム圏の国々が寄付して、マンハッタンに巨大モスクを建てた。しかし、反発も大きく、例えばフロリダ州タンパのイスラムのイマームが「理由なき逮捕」をされた。こうした措置は、ソ連のスパイを逮捕するときに、安全保障上の理由から逮捕の理由を告げず、釈放するときも理由を告げなかった時代の遺物であり、それがイスラムに多く使われた。後でわかったことだが、世界貿易センターを破壊した飛行機の操縦士は、フロリダのタンパで実習訓練を受けていたという。9・11以降、アメリカのアルカーイダ掃討作戦がアフガニスタンで行われた。その際、多くの容疑者が「不法戦闘員」として捉えられカリブのキューバにあるグアンタナモ基地に収容された。じっさい、それぞれの出身地を調べたところアフガン人以外のほとんどのイスラム圏から連れてこられていたことが判明。しかも、彼らは「戦争捕虜」でも「犯罪者」でもないので、裁判を受ける権利もなく、釈放の理由がないため長期にわたって拘留された。アメリカは、いわば全イスラムを敵に回すことになった。

[映像]
・NHKスペシャル大型企画「イスラム潮流 第3集マンハッタンにコーランが流れる~アメリカ~」(1999年):このとき撮影した破壊前の世界貿易センター・ビルの映像
・NHKスペシャル大型企画「21世紀の潮流 アメリカとイスラム」第1集「カリブの囚われ人たち~「対テロ戦争」もう一つの最前線~」

◆第3回「イスラム潮流」の先にロシア最深部の闇が見えた

開催日:2024年8月6日(火)19:00-21:00 
講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー)
概要:メッカ巡礼を取材中に、旧ソ連のコーカサス地方からイスラム教徒が多数来ていたことに注目。ダゲスタン、チェチェンはもともとイスラム教徒の地だった。当時、プーチンはチェチェン攻撃を繰り返していた。それと同時に、東方正教会の活動も盛んになっていた。プーチンが大統領就任のときには、ロシア正教会の大僧正が立ち会っていた。中には、ユダヤ教のシナゴーグまで出現したが、彼らはロシアの弾圧を知っていたので、南に逃れ、イスラエルに結集していた。ロシアの奥深くで何が起こっていたのか。その混乱の中で、多くの若者がイスラム戦士になったり、祖国防衛のロシア兵になったり、旧ソ連時代の英雄だったタタール人が連邦崩壊とともに身の置き場がなくなり鉄道自殺したりした。カザフスタンにはモスクが復活し、コーランを学ぶ若者がたくさんいた。やがて、チェチェンのイスラムによって、モスクワ・アパート爆破事件が起こった。プーチンはアメリカに先駆け「対テロ戦争」につき進んで行った。

[映像]
・NHKスペシャル大型企画「イスラム潮流 第1回 すべてはメッカから始まる~サウジ・ロシア・インドネシア」
・NHKスペシャル大型企画「激動・地中海世界 第2集 コーカサス回廊を越えて~ロシア・グルジア・イスラエル~」:このなかに、プーチンのロシアに揺れる少数民族がいる。ジョージア正教会の復活、プーチンのアメリカ接近、G7での卑屈な演説、ロシア在住ユダヤ人への配慮)

◆第4回 ディアスポラからみたガザ地区~国家・宗教の枠を超える難しさについて

開催日:2024年8月20日(火)19:00-21:00 
講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー)
概要:ホロコーストの生き残りがパレスチナの地に国家をつくった。しかし、そこにはパレスチナ人が多様な生活していた。パレスチナ人は「犠牲者の犠牲者」になった。ユダヤ人のなかに色濃く残るシオニズムは、他者を寄せ付けない。逆に、ホロコーストを生き残りながらも居場所がないディアスポラ(離散者)としてのユダヤ人も少数ながらいた。パレスチナの隔離壁をこえて、自由なイスラエル人とパレスチナ人の交流があった。

[映像]
・ETV特集「映画ルート181 パレスチナ・イスラエル境界線の記録」(イスラエル人監督エイアル・シヴァン&パレスチナ人監督ミシェル・クレフィが架空の道181号線を行く)
・「こころの時代~ガザに『根』を張る ガザの人権派弁護士ラジ・スラーニ」(2014)
・「こころの時代~紛争からの声を届けて ジャーナリスト、アミラ・ハス」(2017)
以上2番組は、故徐京植氏がそれぞれインタビューし、死の直前に始まったガザ攻撃のことに触れた前説、後説を入れて再放送したもの。
・「アメリカのパレスチナ人」「兵役拒否~イスラエル・18歳の決断」など

◆第5回 ローマ教皇、動く- イラク戦争前夜のバチカン外交

開催日:2024年9月3日(火)19:00-21:00 
講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー)
概要:宗教、民族、国家を超えた存在としてのローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、イラク戦争前夜、アメリカとイラクに対して、枢機卿を現地に派遣し、平和のための外交を行なった。アメリカは、イラクの核開発に過剰反応し、国連の査察が核の発見ができないうちに、国連決議なき戦争を始めた。その理由は、アメリカが当てにしていた国連の理事会のメンバーの中にカトリック国があり、教皇が戦争に反対していることから自らの政治力が及ばないことを知ったからである。そもそもの開戦決議案を姑息にも降ろし、それ以前の査察に協力的でないことを制裁の根拠とする決議案を復活させ、強引にイラク攻撃を開始した。コソボ空爆に次ぐ暴挙である。ローマ法王の「殺すな」の一言が、世界の宗教を結び、声なき人々をつないだ。無力であるがゆえに重みをもった瞬間を世界が受け止めた。

[映像]
・NHKスペシャル「ローマ教皇、動く~バチカン外交~」(2004年)

◆第6回 ユーラシア21世紀の潮流、中央アジアを貫く道

開催日:2024年9月17日(火)19:00-21:00 
講師:桜井均(映像ジャーナリスト・元NHKディレクター/プロデューサー)
概要:ユーラシアの語源は、europとasiaの合成語である。イスラムの勢力圏的にはアラビア語圏、ペルシャ語圏の北側トルコ語圏を結ぶ道である。一部は、かつてのシルクロードと重なる。トルコから中央アジアを経て新疆ウイグル自治区にいたるライン、ここにも複雑な歴史を持つ国境がある。NHK取材班は、パキスタンのカラコルム・ハイウエイを北上し中国との国境まで行ったが、そこから先にはいかれず、一度、北京に戻ってから新疆ウイグル自治区に入る予定だった。しかし、中パ国境からの帰り道、車が崖下に転落し、パキスタン人の運転手とNHKスタッフ3人が即死するという事故が起こった。このときのディレクターは、かつてシルクロードの担当者で、新旧の道を重ねて描くという壮大な企画を持っていた。今回、彼が何をイメージしていたのかを考える。

[映像]
・NHKスペシャル「ユーラシア・21世紀の潮流」(2002年)
・「シルクロード」

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*開催日が過ぎてもアーカイブ視聴が可能です!
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